今日もフラれた。【ピンガ】

１７.通常運転 ページ19

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『…やっと来た』




「あ？」







店から遅れて出てきたピンガ




どーせあの女に言い寄られでもしてたんだろうな


なんて思いながら、
自身を抱きしめるように二の腕を抑えた。




夏だと言うのに、今日はなんだか肌寒い。







せめてドレス脱いで来ればよかったかも。






「…。車に乗れ」




『え？』







手を引かれ、半ば強引に車に押し込まれた。




なんかイラだってる…？






『…何かあったの？お店で』



「何もねぇ」




『すごい即答…』





ってことは何かあったんだな。


さっきと全く様子が違うもん。







「お前、今日は大して酔っ払ってねぇらしいな」




『昨日で学習したから………ハッッ！
もしかしてピンガ、それを狙って…!?』




「アホなこと考えてんじゃねぇ」





…そう言うと、ピンガはハンドルに腕を置いて
そこに顎を乗せ、反対方向を見つめてる。






『どこ見てんの？』



「どこでもいいだろが」



『…ふーん？』





何気ない会話。







『私やっぱあんたが好きだわ』




私はいつもそこに告白をぶっ込んでいく。





「はぁ…言うと思ったぜ」



『よっ！色男！』



「黙れ、うぜー」







黙ってればもっとモテるのに。



タバコも高級車もお酒も黒服も全部様になってて
バカそうに見えて実は私よりも頭良いし






「今失礼なこと考えただろ」




『銃だけはやめてください』




「チッ…」








ほんと、勘も鋭いんだから。






『あ、それと』




「…？」




『私、帰りバーボン呼んだから』




「……………は？」





急に鋭くなったピンガの眼光に
思わず肩をビクつかせる。



な、何その反応。

飲酒運転とか危ないじゃん。(正論)






「なんでバーボン？」




『さっきまで一緒だったし…
1番近くにいるみたいだし

さっき連絡したの』




「…」





そう、ピンガが店にいるうちに電話しておいたのだ。




バーボンは

“えぇー…なんで僕なんですか…”

とか言いながらもちゃんとOKしてくれた。






「……、…やっぱお前、うっざ」




『…!?』





なんでキレだすのか意味不明だけど






『私は好きだよ、ピンガ』




「俺は嫌い」













ギリギリ通常運転な彼に少し安心した。








「てかバーボンはよせよ」




『なんで？じゃあピンガはお迎えどうする？
ジン呼ぼうか？』




「殺すぞ、マジで」













「俺が送る」



『え』




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