今日もフラれた。【ピンガ】

１５.やっぱり読めない彼 ページ17

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＿＿ﾁﾘﾝﾁﾘﾝ…






「いらっしゃ………あれ、Aさんと……ヒッ…」




「…」


『ハハ…』







それから彼と共にやって来たのはいつものバー。



そう言えばウェイターである彼＿ユウタは
妙にピンガの事を怖がってたっけ。







「ちょっと！なんで連れてきたんですか！」(小声)




『だって、彼今私の足だし
乗せてもらったらここに着いちゃった』




「何なんですか、結局くっついたんすか？」




『フラれたまま』




「…」






そういう同情丸出しの目で見てくるのやめてくんね？





ピンガに至っては私たちのことはカチ無視で
早速カウンターの席についている。






……と、そんなピンガの隣に早速女が座った。


あの女は確か、いつも1人で飲んでる…






つか私とピンガが一緒に入ってきたのを見てたくせに
あの女結構度胸あるな






『ちょっと失礼ーー』




「ちょっ…」




ピンガの隣に座ろうとしてる女をケツで押し退け、
間に割って入った私。



…うん、我ながらスマートだ。







「何、貴方
失礼じゃない？」




『え？何が？

…あ、ユウタ私いつもの！』





私はいつもここで、彼の名前に因んだお酒で作られるカクテルを飲んでいる。





ユウタは苦笑いを浮かべながらも頷いてくれた。







「…ククッ……」




『……？ピンガ？』





突然、謎に笑いだしたピンガ。


なんで笑ってんの…





ピンガは一瞬、首を傾げている私を見てから

まだそこに居る女に目を移した。





その表情は何となく楽しそうにも見える。





そして、彼女を見つめたままピンガは



「こっち空いてる」



…と、反対側のチェアを指さして
そう言った。






『…！なっ』




私がわざわざ押し退けたのに

見ず知らずの女に反対側の椅子を勧めるなんて







『…』




「…なに？」




『な、なんでもない』




「…」






ニィ、と口角をあげて、まるで観察するかのようにこっちを見つめてくるピンガ。




…ほんと、何なの。





嫉妬心が顔に出てきそう。



私の顔を見つめてくる彼にバレないよう、
すぐにユウタに目を移した。







…でも、あの女と会話をする気配もないし
何のために隣に座らせたの？ピンガ







「フラれた貴方にプレゼント」





ユウタはカクテルと一緒に
頼んでもいない小さなスイーツを出してくれた。





『言い方ウザ』








その間にも隣から、何故か鋭い視線。








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