今日もフラれた。【ピンガ】

１０.ジンとの再会 ページ12

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「一体どうしたんですか」




バーボンの声に足を止めた。





彼ら……

ピンガとキュラソーの元を離れてから数分が経った。






『ダメだバーボン…
私、ピンガの顔見れない』




「は？」




『好きすぎて…』




「……はぁ」





記憶は曖昧だけど、体の関係を持ってしまった以上
簡単に好きと言えなくなる。



…あ、もしかしてピンガ

それを狙って…？





まさかか。






『ていうか、ジンもジンだよね。
キュラソーとピンガが居るって前もって教えてくれればよかったのに』






苦笑いを浮かべたバーボンに首を傾げていると


私の肩に、[トンッ]と誰かに手を置かれた。






「お前にピンガがいる事を知らせりゃ
仕事になんねぇからだろうが」




『……！！？』






私の背後にはいつの間にか


全身真っ黒で背の高い…






『じ、じじじっ』




ジンが立っていた。



だからバーボン、苦笑いを浮かべてた訳ね。
納得。





『なんでここに居るの!?』



「うるせぇ騒ぐな」




フゥゥー…と顔にタバコの煙を吹きかけられた。

タバコきつ…






「で？もう殺ったのか」



『見ての通り、まだです！』



「ふざけてんのかテメェ」



『わぁ、待って待って…！』






彼がポケットに忍ばせているものに気付いた私は
全力でジンを止める。



こんな物騒な奴らを簡単に侵入させられるって
この会場の管理どーなってんだ。






するとそのとき、


突然会場の照明が一斉に落ちた。







「行け
あそこだ」




『…！』






そんな短文で指示すんなっての。




ターゲットの男の居場所は
真っ暗になってもシルエットでわかる。






太ももに手を伸ばし、
サイレンサー付きのピストルを手に取った。





(こんなカッコしなくても十分な環境じゃん)





色仕掛けは最終手段なんだろうけど。







「ヘマはなしだ」




『って、ついてきてたのかよ』





振り返るとジンの影には
ウォッカやバーボンもついてきている様子。





ジンは私の背後で、わざわざターゲットが死ぬ瞬間を確認するのだろう。ウォッカも。



そんなに信用ないかねぇ…





『バーボン』



「！」



『今日こそ邪魔は無しね』



「フッ」






私の手柄を奪いたいのか
それともなんなのか分かんないけど




よく私の仕事の邪魔をする彼のことをたまに
ネズミかなって疑っちゃう。






ちょっとは信用はしてるけど。




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