■ ページ3
『わ、ちょっと夏奈ちゃん…寝るなら部屋行きなよ』
私がお風呂から上がると、暖まってお腹もいっぱいになって眠くなったのか、ソファで横になってる夏奈ちゃんの姿。
じっとり濡れた髪の毛をタオルでわしゃわしゃ拭きながらも夏奈ちゃんの肩を揺する。
「えー…リビングの方が寝やすいのにー」
『体痛くなるじゃん』
「ふぁあ、歯磨いてもう寝ちゃお」
欠伸をしながら、夏奈ちゃんはリビングから出て行った。
私は、小さく笑いを零して近くにあったパーカーを羽織った。
その時だった。
玄関のドアが開いた音がして誰かが家に入ってくる。
「ちょっと、なんで階段とリビングの電気両方ついてんのよ！！」
……あーあ、帰ってきちゃった。
私は息を吐いて、タオルを肩にかけたままリビングのドアを開けた。
『おかえりなさい、叔母さ…っ』
「電気はすぐに消せっていつも言ってるでしょ！」
酔っ払っているせいか、いつもよりも手が出るのが早い。
投げつけられたカバンの中から、化粧ポーチや財布、空っぽのペットボトルが悲惨に飛び出して散乱している。
『…、ごめんなさい』
夏奈ちゃんの失敗だとしても、怒られるのが私の役目。
これは、叔母様に引き取られてからの決まり事見たくなっちゃってる。
「ほんと、疲れてんのに怒らせないでよ」
『ちゃんと気をつけます…』
高い革のカバンは想像よりも固くて、勢いよくぶつかったため腕がじんじんと痛む。
ここ最近、機嫌良いと思ってたんだけど…続くわけないよね。
「はぁ…うちの子じゃないのに、なんで私なんかが育てなきゃいけないの」
そう吐き捨てて、散乱したカバンは片付けずに自分の寝室へと行ってしまった叔母様。
私はそのカバンをまとめてリビングのソファに置くと、洗面所に置いてあるカゴにタオルを放り投げて部屋に飛び込むように入った。
『…あ、湿布きれちゃってる…』
この間、使い切っちゃったんだっけか。
ため息をついて、今からリビングに戻る気にもなれずに腕を軽くさすってテーブルに置いてあるジャンプを手に取った。
表紙に描かれたルフィは楽しそうに満面の笑みを浮かべてる。
…ほら、笑顔笑顔。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 374人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星月夜 - 今更ですが面白いです、一味との絡みも気になる……更新待ってます………！ (2019年3月4日 22時) (
レス) id: 83b006a747 (このIDを非表示/違反報告)
ねこまる - めっちゃ面白いです！更新頑張ってください！ (2018年3月31日 15時) (レス) id: caaeb6c119 (このIDを非表示/違反報告)
まぴこ(プロフ) - 漫画大好き少女さん» そう言っていただけると嬉しいです！ありがとうございます！！ (2018年3月4日 22時) (レス) id: 9e4a742bcf (このIDを非表示/違反報告)
漫画大好き少女(プロフ) - 面白いです！続きめっちゃ期待してます！頑張ってください！ (2018年3月4日 22時) (レス) id: 412f05bc98 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まぴこ | 作成日時：2018年2月25日 20時
