心配でたまらなかった人 ページ23
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【そして、私事にはなりますが、先日無事に子どもが産まれました。】
【予定より少し早い出産にはなりましたが、Aも、産まれてきた子どもも健康です。】
【こんなにも幸せな瞬間を体験させてくれたAには感謝してもしきれません。】
【これからは父としても、責任感を持ち、より一層精進していきたいと思います。】
なんてことないブログの文末に、さらりと報告を載せたつもりだったけれど、瞬く間にネットニュースに載り、多くの人の目に触れることになった。
SNSのコメント欄は祝福の言葉で溢れて、幸せな気持ちになる。
SH「もう会えます?」
KC「いや。Aには会えるけど、子どもにはまだ。」
TE「予定よりも早かったもんね。」
KC「うん。身体がちっちゃかったから、ちょっとだけ別の部屋でじっくり診てもらってる。」
KJ「…Aは?」
KC「…最初は疲れてるだけかと思ったけど、少しだけ、へこんでる。車椅子乗って、チビに会いに行ったとき、色々…管に繋がれてたりするの見て、私のせいで…って泣いたんだよね。」
SH「…そんなに、赤ちゃんの状態悪いんですか…?」
KC「いや、すごく元気だって。でも、生まれた瞬間から痛い思いさせた、とか…寂しい思いさせてる…とか…そういうの、気にしてるみたい。」
Aの病室で2人きりになると、ボーッとしたり、ポロポロと泣き出したり。
それでも面会に来たご両親や、事務所のスタッフ、病院の助産師さんや看護師さんの前では気丈に振る舞っていて。
すごく不安定だ。
KC「…会いに来てやって?俺だけの力じゃ、足りないみたいだから。」
TE「…ケンチがいれば十分だろうけど、賑やかしにはいくらでも行くよ。ねぇ、啓司?」
どこか難しい顔で、話を聞いていた啓司が、無言で席を立つ。
SH「…啓司さん?」
KJ「…あいつ、何でも食えんの?」
KC「…は?あー、うん。特に…制限はない、かな…」
ぼそりと聞きながらも、立ったまま、荷物をまとめ出す。
KJ「…あいつの好きなもん、買いに行ってくる。病院、LINEしといて。」
それだけ言い残して、あっという間に、会議室を後にした啓司。
TE「…心配で心配で仕方なかったみたい。」
SH「病院に運ばれたって聞いた時、貧乏ゆすり凄かったらしいです(笑)」
NS「…ケンチさんに連絡したらどうかって言っても、今は大変だろうからって、気も遣ってたみたいですよ。啓司さんなりに。」
いつまでも、彼女を1番に考える啓司に、どこか胸がざわざわする。
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ユキ(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます(*^^*) (2021年9月30日 21時) (レス) id: e86d7cf610 (このIDを非表示/違反報告)
rhszh(プロフ) - 更新ありがとうございます!早速読みました!最高です!お誕生日おめでとうケンチさん! (2021年9月30日 0時) (レス) id: e78e4a67b5 (このIDを非表示/違反報告)
きき(プロフ) - にゃんちゅうさんの小説大好きで何回も読んでいます!赤ちゃんも産まれてこれからどうなっていくのか続きが楽しみです! (2021年4月9日 0時) (レス) id: 1cb6a41e93 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - キャー(/▽\)♪ (2020年9月30日 7時) (レス) id: 5f63e3cc55 (このIDを非表示/違反報告)
きくりん(プロフ) - あらあらケンチさん鋭いですね。啓司さんとケンチさんの中が悪くなりませんように (2020年9月7日 0時) (レス) id: 97f67c1a4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2018年12月16日 0時