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急に訪れたその時 ページ20

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春も近付いてきた3月。


EXILEのツアーを終え、ケンチさんは個人の活動として、また忙しく日本中を飛び回る生活を送っていた。

私自身は、自由気ままに仕事をしたり、家族や友人、事務所の人たちと食事をしたり、のんびりと過ごさせてもらっていた。

そんな生活を送っていた中で、その時は、突然やって来た。




「あ、また会えた!」
『陸!久しぶり!』
「お疲れさまです!この間、ネスミスさんの家にお邪魔した時、写真見せてもらいましたよー!」
『あ、ケンチさんと撮ったやつ?』
「将吉さんが、マジ神って言ってたの、めっちゃ分かります(笑)」

事務所での用事を済ませて、偶然出会った陸ちゃんと、ワイワイ話していたとき、急にズキリ、とお腹が痛み出す。

『…っ…』
「…Aちゃん?気分でも悪い…?」
『…だい、じょぶ……じゃ、ないかも…』
「…え?!あ、ちょ?!え?!」

慌てふためく陸ちゃんの腕にしがみついて、なんとか痛みをしのごうとしたものの、下半身が湿っぽくなっていくのがハッキリと分かって。

異変に気付いて駆け寄って来てくれたスタッフさんに救急車を呼んでもらって、そのまま大きな病院に運ばれることになってしまった。


まだまだ先の予定だったのに。


そう思いながら、あれよあれよと点滴の薬を入れられて、たくさんの検査なんかもされて。

「寺辻さん、赤ちゃんもう出て来たがってるみたい。」

病院の先生の言葉にも、何で?としか思えなくて涙が止まらなくなってくる。

「Aちゃん、ケンチさんは…?」
『…仕事で、京都にいる…明々後日まで、帰ってこない…』

付き添ってくれたスタッフさんと陸ちゃんに八つ当たりするように泣いて。

「じゃあ、少しだけお薬使って、旦那さんが来るの、赤ちゃんにも待ってもらいましょうね?大丈夫。赤ちゃんは元気そうだから、ね?」

優しく言ってくれる先生に、泣きながら頷く。

痛みが落ち着いた頃に、自分の母親に連絡して、すぐに来てもらえることになった。

ケンチさんにはスタッフさんから連絡をしてもらっている。

『…ごめんね、陸ちゃん…付き合わせて…』
「全然!大丈夫です。ケンチさんには遠く及ばないけど…Aちゃんが落ち着くなら、ずっとそばにいます。」
『…ありがとね?』
「あ、また痛くなったら、俺の腕、ギューってやっていいですからね?」


力こぶを作って笑う陸ちゃんを見て、笑いながらも、涙が止まらなかった。

ケンチさんの力→←記念の写真を1枚



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ユキ(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます(*^^*) (2021年9月30日 21時) (レス) id: e86d7cf610 (このIDを非表示/違反報告)
rhszh(プロフ) - 更新ありがとうございます!早速読みました!最高です!お誕生日おめでとうケンチさん! (2021年9月30日 0時) (レス) id: e78e4a67b5 (このIDを非表示/違反報告)
きき(プロフ) - にゃんちゅうさんの小説大好きで何回も読んでいます!赤ちゃんも産まれてこれからどうなっていくのか続きが楽しみです! (2021年4月9日 0時) (レス) id: 1cb6a41e93 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - キャー(/▽\)♪ (2020年9月30日 7時) (レス) id: 5f63e3cc55 (このIDを非表示/違反報告)
きくりん(プロフ) - あらあらケンチさん鋭いですね。啓司さんとケンチさんの中が悪くなりませんように (2020年9月7日 0時) (レス) id: 97f67c1a4a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2018年12月16日 0時

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