Granatapfel … ＊6

お渡し会のその後 ページ8

.



KC「なんで秘密にしてたの？」
『…だって、てっちゃんとアキラくんが…』
KC「レオラちゃんは？約束してたんじゃないの？」
『…ううん。マネージャーさんと2人で行くって聞いてたから…』
KC「…はぁー。すっかり騙された。」
『…ご、ごめんね…』
KC「…いい。こうやって、ゆっくり会えたから…」

2人きり…というわけにはいかず、スタッフさんやてっちゃんたちも交えて、お渡し会を終えたケンチさんと合流して食事をした後、ホテルに戻ってきた。

お渡し会に行くと黙っていたこと。
レオラちゃんと出かけると嘘をついたこと。

怒られるのではないかとビクビクしながら答えていると、突然ギュッと抱きしめられる。

KC「クリスマスなのに会えないのかーってヘコんでたから。」
『…てっちゃんから聞いた(笑)』
KC「…あのやろ(笑)」
『けんちゃんと会わないクリスマスなんて、最初っから考えてなかったよ。』
KC「…もーズルイ…」

ぎゅうぎゅうとキツく抱きしめられながら、頭のてっぺん、耳、頬、目尻…そしてゆっくりと見つめ合って、唇にもキスが落とされる。

KC「…いい子にしてたから、俺のとこにも、サンタさんが来てくれた。」
『…サンタさん？(笑)』
KC「…んー？こうやって、Aとキスしたり、抱きしめ合ったりできる時間…貰えた…」
『…うん。』
KC「…目の前のサンタさんは、プレゼントくれないの？(笑)」
『ちゃんとありますよ(笑)』

そっとケンチさんから離れて、カバンからずっしりとした包み紙を取り出す。

KC「…ふは(笑)東京からこんな重いの持ってきたの？」
『…愛の重さだよー！(笑)』
KC「…お、日本酒じゃーん！いろんな種類！」
『あと、図書カードね(笑)』
KC「めっちゃ実用的(笑)めっちゃ嬉しい。」

ニコニコ笑う顔を見て、ほっこりとした気持ちになる。

『…ねぇ、私にはサンタさん、プレゼントくれないの？』
KC「…あるよ、ちゃーんと。でも、もうちょっと後でね。」

プレゼントをそっとテーブルに置いて、ベッドに2人で倒れこむと、キスの嵐が降り注ぐ。




私のところには、1日遅れのサンタさんがやって来るようです。


KC「…愛してるよ、A…」
『…わた、しも…っ』

クリスマスの夜に→←お渡し会

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す