最後の時 ページ41
.
AK「ほんと無理すんなよー?」
結局、先輩の誘いを断って、だだっ広いスタジオで、彼女を待つことにした。
Aのことだ。
ずっと事務所にいる。
連絡してくれ。
そう言えば、必ずここに現れる。
律儀な彼女を信じて、1人、先程のリハの復習をし始める。
彼女が現れたのは、踊り始めて、ほんの少し経った頃だった。
GN「…来てくれると思ってた。」
鏡越しに見つめて、声をかけると、困ったようにして笑う。
『…でも…すぐ帰るよ…』
視線を逸らしながら、小さく言った言葉が突き刺さる。
GN「…約束したのにね。応援するって。」
『…?』
大きな瞳で、見上げられると、視線が絡み合う。
GN「…ケンチさんがいるって分かってる。でも…Aといるとホッとするっていうか…癒されるっていうか…だから…会いたくなって…触れたくなって…」
こんな無茶苦茶な言葉も、まっすぐに見つめて、受け止めてくれる彼女が、やっぱり好きだと思う。
『…ありがとう、岩田くん。』
視線を床へと下ろして、そう呟いた彼女の肩に触れようとすると、パッと顔を上げた彼女と、近い距離で見つめられる。
『…でも、ごめんなさい。もう…こうして2人で会うのは…辞める。』
こうなることは分かっていたはずなのに。
『…変な噂されたら困るのは岩田くんだよ?私も、ケンチさんに誤解されたくない。』
悔しくて?
悲しくて?
『…もう、2人では、会わない…』
他のメンバーや、先輩、後輩とは違う、学生時代からの友人のAとだからこそ過ごせる、ゆったりとした、仕事のことも忘れられる時間が好きだった。
手放したくなかった。
GN「…嫌だ…」
その細い肩を掴んで、抱きしめようとすれば、逃げ出す小さな身体。
追いかけて、鏡張りのスタジオの壁に押さえつける。
『…いわ、たく…ん…?』
怯えたように、涙を浮かべるその瞳さえも、愛しくて仕方なかった。
何度、同じ過ちを繰り返すんだ、と。
自分でも、アホらしくなる。
けれど。
GN「…もう、最後にするから…」
女々しい奴でいい。
裏切り者でもいい。
2人で過ごす、優しい時間を取り戻せないのなら、嫌ってくれていい。
逸らした顔を追いかけて、その唇に噛み付いた。
押さえつけた左手に、キラキラと光る指輪があることにも。
彼女が、ボロボロと泣いていることにも。
自分自身が、ボロボロと泣いていることにも。
気付かないフリをして、何度も、何度も口付けた。
773人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moe(プロフ) - いつもRayで寂しくなるので泣きそうになります笑笑 なのでこの小説でも泣きながらRay聞きながらで大忙しでした笑笑 (2018年6月7日 23時) (レス) id: 45fcd2e128 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - ユキさん» 三代目、テレビ出まくってますね〜!アルバム関連で、ちょいとヒロインちゃんと三代目さんを絡ませようと企み中なので、お楽しみに…。EXILEもアルバム発売に合わせて、テレビ出て欲しいですね( ; ; )!!切実に!! (2018年6月7日 23時) (レス) id: 1961de09fc (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - moeさん» LastGoodbyeを聴きながら読むと、どよーん( ; ; )とするかもしれないので、注意です(笑)また次の約束があるよ!と言ってくれているようなRay…セカンドさんたちの笑顔と合わせて、大好きな曲です( ; ; )! (2018年6月7日 23時) (レス) id: 1961de09fc (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 今日三代目アルバム出ましたね今月はTV出演増えて嬉しいですねまたEXILEメンバーのTV出演増えて欲しいですね(〃艸〃) (2018年6月6日 11時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - 次読むときはLastGoodbye聴きながら読んでみますね! ライブのニコニコ笑顔思い出したら泣けますよね…(ToT) (2018年6月6日 0時) (レス) id: 45fcd2e128 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2017年12月26日 1時