例の企画 ページ31
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『よろしく、お願いします…』
とにかく、緊張していた。
身体にフィットした、タイトなブラックドレスに身を包み、剥き出しの肩を隠すように、用意されていたカーディガンを羽織ってスタジオ入りする。
少し先のセットでは、サンローランのブラックスーツに身を包んだ岩田くんの撮影が始められていた。
「Aちゃん、緊張してる?」
『…すっごく…』
「あは(笑)大丈夫。今日もすっごく綺麗だよ。」
振り向いたカメラマンさんに声をかけられ、ふっと視線を動かすと、どこか軽蔑も含まれたような、冷たい視線に射抜かれる。
ライブに参加してから、会うことのなかった岩田くんとの撮影が、始まる。
いつになく、緊張していた。
「あくまで、岩ちゃんメインで行きます。2人は恋人同士の設定で、岩ちゃんの目線から…幸福感、忘れられない高揚感の2シーンを撮ろうと思ってます。」
厳選されたという、ごく少数のスタッフさんと、岩田くんと、私で打ち合わせを済ませ、あっという間に撮影が始まった。
「それじゃ、Aちゃんは岩ちゃんの前に立って…シャツを脱がせてあげるような感じで…」
カーディガンを脱ぎ、言われたように正面に立つと、スッとスイッチを入れ替えた岩田くんの優しい表情が見える。
GN「…いいよ、本気できてよ…仕事でしょ?」
見下ろされる視線は優しいのに、どこか怖い。
袖のボタンを、自ら外そうとする岩田くんの手に触れて、そっと見上げる。
GN「…笑って?」
優しい、低い声で、思わず泣きそうになる。
「Aちゃん、岩ちゃんのボタン外して…そう…」
カメラマンさんに促されるまま、恋人同士の、幸せな、甘い時間を、演じる。
跪いて、自身のベルトにかかった岩田くんの手を追いかける。
静かなスタジオの中に、シャッター音が響く。
そっと、岩田くんを見上げると。
GN「…っ」
『…きゃ…っ』
グッと腕を引かれ、岩田くんに易々と抱き上げられる。
逆に見下ろすこととなった私を、岩田くんが切なそうに微笑みながら、見上げてくる。
彼の頬に、両手を添えて、包み込むと。
GN「…こんな風に…シタかった…」
はらり、と溢れた涙を隠すように。
彼の頬に手を添えたことで、強調された私の胸に、彼の顔が埋まる。
胸元に、温かい吐息がかけられて。
過去の出来事が頭を過る。
GN「…本気だったよ…俺は…」
目の前の、頭のてっぺんに口付けながら、その頭を抱きしめた。
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moe(プロフ) - いつもRayで寂しくなるので泣きそうになります笑笑 なのでこの小説でも泣きながらRay聞きながらで大忙しでした笑笑 (2018年6月7日 23時) (レス) id: 45fcd2e128 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - ユキさん» 三代目、テレビ出まくってますね〜!アルバム関連で、ちょいとヒロインちゃんと三代目さんを絡ませようと企み中なので、お楽しみに…。EXILEもアルバム発売に合わせて、テレビ出て欲しいですね( ; ; )!!切実に!! (2018年6月7日 23時) (レス) id: 1961de09fc (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - moeさん» LastGoodbyeを聴きながら読むと、どよーん( ; ; )とするかもしれないので、注意です(笑)また次の約束があるよ!と言ってくれているようなRay…セカンドさんたちの笑顔と合わせて、大好きな曲です( ; ; )! (2018年6月7日 23時) (レス) id: 1961de09fc (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 今日三代目アルバム出ましたね今月はTV出演増えて嬉しいですねまたEXILEメンバーのTV出演増えて欲しいですね(〃艸〃) (2018年6月6日 11時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
moe(プロフ) - 次読むときはLastGoodbye聴きながら読んでみますね! ライブのニコニコ笑顔思い出したら泣けますよね…(ToT) (2018年6月6日 0時) (レス) id: 45fcd2e128 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2017年12月26日 1時