Granatapfel … ＊6

アカシア ページ28

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『…アー写のときより、布少なくないですか？』
「…色気をね！ちょっぴりね！増し増しでね！」
KC「確かに…おしり見えちゃいそうだね〜。」
「ちょ！ここでおっぱじめるの禁止！ダメ！絶対！」

馴染みの衣装さんと今回の衣装について話していると、そっと後ろから覆い被さるように、ドレスのスリットから覗く右脚をそっと撫でながら、ケンチさんが会話に加わる。

『…ちょっ、と…』
KC「んー？」

衣装さんが立ち去って、2人きりになった後も、その手は止まらなくて。

内腿を撫でる細くて、長い指に、思わず腰が引け、声が溢れ出てしまいそうになる。

止めてほしくて、顔を後ろに向けて、見上げると、ケンチさんはふわりと微笑んで、顔を寄せてくる。

KC「…すっげー色っぽい…」

後頭部に添えられた手に引き寄せられて、何度も何度も口付けられる。

その間も脚を撫でる手は止まらなくて、力が抜けてきてしまう。



コンコンコンッ



突然聞こえたノックの音に、勢いよく離れて、振り返ると。

開け放たれた扉を叩く啓司くんがいた。

『…け、じくん…』
KJ「…仕事場。仕事中。盛ってんじゃねーよ。」

ぼそりと呟いて、その場を後にする啓司くんが、少し前の、怖い顔をした啓司くんと重なる。

KC「…ごめん、やりすぎた。」
『…ううん…』
KC「…啓司には俺から謝っとく。」

啓司くんが出て行った後、触れるだけのキスをして、ケンチさんも出て行った。

その後のことは分からないままに、撮影が進んでいく。

「じゃーワンカットで！流れていってみましょう！」

ダンスフロアでパフォーマー4人との撮影が始まる。

トップバッターは啓司くん。

啓司くんに腕を引かれ、彼の腕の中で、彼にしがみついて、歌いながら踊る演出。

それだけだったのに。

KJ「…わり。」
『…ううん、大丈夫。』

啓司くんの様子がおかしい。

2番手のケンチさんの方を見ても、困ったように微笑むだけで。

『…ねぇ、啓司くん…なんか、あった…？』

頭をガシガシと搔き乱しながらスツールに腰掛けていた啓司くんの腕に、そっと触ると。

KJ「…っ！」
『…あ、ごめん…』

勢いよく立ち上がる啓司くん。

キョロキョロと辺りを見渡して、ふぅっと溜息を吐いたと思うと、グッと引き寄せられて、逞しい腕の中に包まれる。

KJ「…色々、壊しちまいそうで…うまくできねえ…」

ぽそりと呟いた啓司くんの言葉に、顔を上げると、頬にそっと口付けられ、離れていく。

どこか悲しそうに笑いながら。

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