俺の知らない君 ページ41
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あの日から、Aはリハーサルを休んでいる。
休んでいるといっても、サボっているというわけではなく、個人の活動が忙しいあまりに、仕方なく休んでいる。
隙間の時間に1人でボイトレをしたり、リハの映像を見ながら、夜中まで1人で延々と踊り続けていることは世界さんや玲於さんから聞いた。
Jr.EXILEでの取材はAも参加しているから、中心になって取材を受けている翔平や陸さんからAの話を聞くたびに、体調が心配になって、AとのLINEの画面を開いては、何も送れずに、画面を閉じることを繰り返していた。
翔平「…そんな落ち込むんだったら会いに行けばいいのに。」
樹「…それができたら苦労しないって。」
翔平「でも、Aちゃんと付き合うって、約束取り交わしたのは貴方でしょうよ。」
樹「…そうだけど…そうなんだけど…」
翔平「…まぁ、実際その現場を見ちゃうとなぁ…」
翔平も気を遣って言葉をかけてくれるけど、一歩も進めないでいる。
「えー、これはヤバイっすね(笑)」
「でしょ?細いくせに胸はデカいし、肌とかふわふわしてて柔らけえんだよなぁー。」
「これとか、めっちゃいい!Aちゃんエ ロい!」
「頼めばヤらせてくれんじゃん?今度言っといてあげるよ。」
「いやいや…(笑)」
雑誌を囲んでワイワイと話している亜嵐さんとバリの面々を横目に見ていると、ふとAの名前が聞こえてくる。
翔平「…や、待て。藤原樹。騒ぎだけはやめろよ?」
フラリと立ち上がった俺に、翔平が声をかけるけれど。
亜嵐「…何?」
その輪の中の雑誌を覗き込めば、大きなワイシャツ1枚で、こちらを見つめるAの写真が目に入る。
わざと透けさせたような真っ黒な下着。
真っ白な太腿や、柔らかそうな谷間を晒して、こちらを挑発するような視線。
そのどれもが、俺の知らないAで。
亜嵐「ふは(笑)樹、見たことないんだもんな(笑)Aの裸。」
亜嵐さんの言葉に苛立ちが募る。
翔平「…樹っ!」
翔平が止める声なんて聞かずに、その目の前の雑誌を掴んで、力任せにビリビリと音を立てながら破り捨てる。
亜嵐「…な、にしてんだよ!!」
亜嵐さんが掴みかかってきたけれど。
樹「…Aのこと、譲る気ないなら…なんで大切にしてやれないんですか…?冗談でもそんなこと言うような人に…Aを任せるなんて、耐えられない…っ」
そう伝えると、乱暴に摑みかかられた手を離し、亜嵐さんはその場を後にした。
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usa(プロフ) - 突然のコメント、失礼いたします。つい先日この作品に辿り着き、とってもハマって何度も読み返しています!続きのパスワードについて、私も教えていただきたいです!引き続き、更新を心待ちにしております! (2020年10月11日 23時) (レス) id: a03a04a4f7 (このIDを非表示/違反報告)
sui(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。ずっとこの作品が好きで、何度も見返しています。続きの2のパスワードは教えてもらえないでしょうか…? (2020年10月6日 11時) (レス) id: 2efd24e246 (このIDを非表示/違反報告)
冬 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて思ったのですが...。 メンバーさんそれぞれの台詞の時行間隔あけて はどうでしょうか? 行間隔が詰まっていると読みにくいので...。 (2020年5月1日 16時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - ゆんさん» もう、リアルいっちゃん見るたびに早くイチャイチャさせたくて仕方なくなります(笑)あのビジュアルで、お前しか考えられないとか言われたら…もうぶっ倒れもんですよね…! (2019年9月4日 2時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - みなさん» 絶賛作成中です!ひと段落ついたらパス外しますので、しばらくお待ち下さい! (2019年9月4日 2時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2019年6月10日 0時