意地悪なけんた ページ32
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外に出かけられなくても、リハーサルがあれば会えるし。
周りにバレて、また離れ離れになってしまったり、傷付けられるくらいなら、毎日のように顔を合わせて、一緒に踊って、言葉を交わして、笑い合って。
家に帰ってからもメールをしたり、電話をしたり。
気持ちが繋がっていれば、それでいいと思っていた。
そう思えたのも、いっちゃんがたくさんの愛情を注いでくれていると感じられるから。
健太「…それで?亜嵐さん捨てて、樹のとこに舞い戻ったわけだ。」
だから、チクチクと小言を言われても、気にしない。
健太「そんなに忘れられなかったわけ?樹とのエッ チ。」
『…バカじゃないの?!』
健太「あー、図星だー(笑)」
気にしないつもりだったのに。
どうも、神谷健太だけは気が狂う。
健太「何?気持ちいいの?」
『…知らない!』
健太「樹、モテただろうし、めっちゃ技磨いてきたんだろうなー。」
『…知らない…』
健太「で、樹、上手いの?」
『知らないよ!したことないもん!』
健太「…いやいやいや。嘘でしょ?」
知らない、で軽く流すつもりだったのに、思わず真実を告げてしまえば、しつこさは増すばかりで。
健太「え、亜嵐さんとあんなにヤッてんのに?!は?!え?!」
『わ!ちょ!それ!ダメ!言わないで!』
健太「…え、樹…そのこと知らないの…?」
神谷健太は、急激に声を潜めて、スススッと隣に座り込んだ。
健太「…BOT大丈夫なわけ…?」
『…だ、大丈夫、だと思う…大人だし!仕事はちゃんとやるでしょ!』
健太「…けんた不安だなー…」
はぁ、とため息を吐きながら、嫌味ったらしく横目で見てくる神谷健太の視線に耐えきれず、立ち上がって、逃げようとすれば。
健太「…亜嵐さん、Aちゃんが髪切ってから、なんか変わったと思わない?」
上目遣いで、ぽそりと呟くから、思わず足が止まってしまう。
健太「…Aちゃんとの関係が、少し変わったのかと思ってたけど…違ったみたいだし。」
ガタリ、と音を立てて、神谷も立ち上がる。
健太「…亜嵐さん、捨てられたって分かったら…どうなっちゃうんだろうねぇ?」
目の前で、ニヤリと笑いながら言う神谷健太は、正直頭がおかしいと思う。
健太「…にしても、Aちゃん、ショートめっちゃ可愛いね!けんたも好きになっちゃいそー。」
フッと別人のような笑顔で、頭を撫でられる。
神谷の言葉や表情に振り回されて、どこか、不安や怖さが募っていく。
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usa(プロフ) - 突然のコメント、失礼いたします。つい先日この作品に辿り着き、とってもハマって何度も読み返しています!続きのパスワードについて、私も教えていただきたいです!引き続き、更新を心待ちにしております! (2020年10月11日 23時) (レス) id: a03a04a4f7 (このIDを非表示/違反報告)
sui(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。ずっとこの作品が好きで、何度も見返しています。続きの2のパスワードは教えてもらえないでしょうか…? (2020年10月6日 11時) (レス) id: 2efd24e246 (このIDを非表示/違反報告)
冬 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて思ったのですが...。 メンバーさんそれぞれの台詞の時行間隔あけて はどうでしょうか? 行間隔が詰まっていると読みにくいので...。 (2020年5月1日 16時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - ゆんさん» もう、リアルいっちゃん見るたびに早くイチャイチャさせたくて仕方なくなります(笑)あのビジュアルで、お前しか考えられないとか言われたら…もうぶっ倒れもんですよね…! (2019年9月4日 2時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - みなさん» 絶賛作成中です!ひと段落ついたらパス外しますので、しばらくお待ち下さい! (2019年9月4日 2時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2019年6月10日 0時