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「「「お疲れさまー!カンパーイ!」」」


2日間の公演を終え、バンドメンバーでのプチ打ち上げが開催された。

「今日はどこで飲むんだって、海青からめっちゃ聞かれたわー。」
「それ、絶対Aちゃん目当てだろ(笑)」
「俺も言われた!一緒に連れてけーって。」
「で、Aちゃんは誰がタイプなの?」
『…もう、からかわないでくださいっ!』

手に持っていたジョッキを、ドンッと大きな音を立ててテーブルに置きながら怒ってみたものの、酔っ払ってニヤニヤとしている皆さんには通用しなかった。

「でもさ、実際彼氏とは超遠距離で、なかなか会えてないんでしょ?」
『…まぁ、そうですね。』
「手近なところに、言い寄ってくる若いイケメンがわんさかいるんだからさ、ちょいっとつまみ食いしてみんのもいいんじゃない?」
『は?冗談やめてくださいよ。』
「いや、声のトーン怖いから(笑)」

バカなことを言うもんだから、怒りたくもなる。

来なければ良かった、なんて後悔しつつ、ジョッキを空にしていく。

「彼氏とそんなに会えないってさ…ソッチの方はどうなの?」
『…下世話な話もやめてください。』
「いーや、彼氏、相当溜まってんじゃないの?」
「いや、あっちで絶対浮気してるって。」
『めっちゃ浮気させたがりますね(笑)』
「絶対モテるじゃん。海外で活躍してるサッカー選手。」
「女も溜まるっしょ?海青だったら喜んで付き合ってくれるから、一発ヤッとけって(笑)」
「や、海青じゃ一発じゃ済まないって。」
『いや、そもそもしませんからね?(笑)』

酔っ払いの戯言だ。
笑って、流して、やり過ごそうと思っていた。

「でもさ、今回だけじゃないんでしょ?ランペのバックにつくの。」
『…あと…3ヶ所くらい…』
「…海青、どっかで告ってくんじゃない?」
「いや、俺は樹が一発仕掛けてくると思うなー。」
「えー?樹、ガチかー?」
「違いますかねー?」
「こいつが樹のタイプなわけないじゃん。」
『いや、そうかもしれませんけど、そこまで言わなくても良くないですか?!』

私の反論に、ドッと笑いが起きて、話が終わるはずだったのに、そううまいことはいかず。

「じゃあさ、Aちゃんはランペの中なら誰がタイプなのよ?」

再度聞かれた、その質問に、思い浮かぶ顔を搔き消すように。

『…うーん…翔平くんかな?毎日楽しそうだし。』

笑って、そう答えた。


胸の奥の方が、ズキリと痛むのも、気付かないフリをして。

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ゆあ - 切ないです、、 (2019年6月18日 0時) (レス) id: 0eaf3d3c12 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - ゆあさん» めちゃくちゃお久しぶりの更新になってしまってすみません!ちょっとずつ進めてますので、またどうぞいらしてください♪ (2019年6月10日 23時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - めちゃくちゃ久しぶりです! (2019年6月10日 0時) (レス) id: 0eaf3d3c12 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - ゆあさん» ちょこっとずつの更新ではありますが…どうぞお楽しみください☆ (2019年5月15日 22時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちゅう(プロフ) - ゆずさん» リキヤさんにはやっぱり健太さんを締めていただかないと…!そして、突然のチャラいっちゃんに変貌ですみません(笑)いっちゃんに荒らしてもらいますよ〜! (2019年5月15日 22時) (レス) id: 8820865f3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2019年2月9日 1時

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