想いに気づくとき ページ12
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−−−FUNK JUNGLE
いつものように、クラブの中心で、歌い、踊る彼らを、Aは上から見下ろしていた。
ソファに腰かけ、頬杖をつきながら、耳を塞ぎたくなるような言葉の数々に、眉間に皺を寄せていく。
少し離れた場所で、九十九も今日のことを思い出しているのか、ぼうっとした表情で煙草を口にしていた。
「…ふぅ…。」
「…どうした?」
ため息を吐きながら、部屋に入ってくるなり煙草に火をつけた琥珀に、九十九が振り返り、声をかける。
「…なんでもねぇよ。」
「…なぁ、知ってるか?…無名街で死人が出た。」
何も言わない琥珀に、話を切り替えるようにして、九十九が告げるのをAが振り返って見守ると、琥珀の表情が一瞬歪んだ。
「…琥珀さん、俺は李って奴には…っ」
「琥珀さん!」
九十九が琥珀に歩み寄りながら話し出したのを遮るようにして、李が琥珀を呼んだ。
「…そろそろ第二弾の襲撃に、いきましょうかね?」
「…まだだ。」
琥珀は、李の提案を拒否しながら歩き出し、Aの目の前のガラス窓からフロアを見下ろすと、静かに話し出す。
「…2日後、全てが揃う。SWORDを潰すのはそれからだ。」
「…そうか…素晴らしい。」
琥珀の隣に歩み寄り、うっとりした表情で言う李に寒気がした。
ねぇ、琥珀。
私、もう分かっちゃったよ。
あの日・・・私たちの関係が、少しだけ変わった日。
離れ離れになった日。
悲しい、別れをした、あの日。
もうすぐ、その日を迎えるね。
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麗 - もう更新はされないのでしょうか? 最初から一気に読ませてもらいましたがとても続きが気になります。更新されるの待っていますね。 (2019年5月12日 20時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 更新されないんでしょうか? (2017年12月24日 3時) (レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮夢叶(プロフ) - 続きが楽しみです!更新頑張ってください! (2017年8月6日 16時) (レス) id: 556da1689c (このIDを非表示/違反報告)
白濱ゆあ(プロフ) - 更新楽しみにしています!!!頑張ってください(*^^*) (2017年6月12日 3時) (レス) id: 0c3fdd77dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2017年3月13日 0時