Ripples 番外編 Part2 (ページ3)

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あっちむいてパイページ3

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恐る恐る引いたくじに書かれていた名前は…

『…神谷健太…』

亜嵐「でた！犬猿の仲www」

なんだかんだみんな優しいし、勝負と言えど、ランペは私に対して手加減してくれるだろうと思っていたけれど。

こいつだけは違う。

『マジでやだー…絶対豪速球で投げつけてくるやん…』

健太「や、俺優しいからね？？？」

『…そのニヤつきが嘘っぽいんだよぅ…』

健太「まぁまぁ！けんたを信じなさいって！」

いざ、その時を迎えると神谷が近寄ってきて、ニヤニヤしながら肩をポンポンと叩いてくる。

ランペを前にする立ち位置で、ちらりといっちゃんを見てみるけど、気にしてないようで周りのメンバーとわいわい話してるだけ。

ふぅ、とため息みたいに一息ついて、いざ勝負。

「『最初はグー、じゃんけんっ…』」

ゆったりとしたペースで何度か攻防を繰り返しながら、バラエティ的にもいいゲームをしていたと思う。

神谷も神谷で、言ったように優しさを発揮してくれて、私が負けた時はガードを掴むまで、わたわたとしながら待ってくれていたように思ったが…

『…あっ…！』

掴み損ねてガードを落としてしまった時は、さすがに待てなかったようで、勢いよく飛んでくるパイを思わずしゃがんで避けてしまった。

『まってまってまって…！』

隼「いや、Aさんアウトやから。」

『だって、落ちた！』

亜嵐「いけ！カミケン！」

しゃがみこんだまま、近くにいる隼や亜嵐くんに訴えてみるけど、簡単に見放されて。

健太「ごめんね、Aちゃん？」

パイを持って近寄ってきた神谷がヘラヘラしながらそう言うと、伏せようとした顔を片手で引き寄せられて、押し付けるようにパイが当てられた。

『…やっん…！んーーーー！』

健太「ごめんって！」

視界も真っ白で、息苦しくて、唸りながら目の前にいるであろう神谷をポカポカ叩くと、笑って顔中のパイを指で拭ってくれる。

健太「…あっま。」

『…バカぁ…』

健太「ふは(笑)Aちゃん、真っ白だ(笑)」

『もぉ、やだぁー！』

亜嵐「え？なんなん？イチャイチャ見せられてる？」

龍友「えっろ！なんなん？えっろ！！」

隼「Aさん、これ使えんって…」

バッチリ真っ白な顔も撮られ、スタッフさんからタオルをもらうまで隣に寄り添って、肩をポンポン叩いて声をかけてくれてた神谷を見上げるついでに、ちらりといっちゃんを見るけど。

ふい、と逸らされた視線に少しだけ傷ついた。かも。