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海青くんとarさん ページ42

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ゆるく巻かれた暗めの色の髪の毛に、グレーのミニスカートのセットアップで、ネクタイまで締めたら、どこか学生の制服のようにも思えて、少し恥ずかしくなる中。


「よろしくお願いしまーす!」


爽やかな笑顔と、明るい挨拶でスタジオに入ってくる、似たようなセットアップを着た彼と目が合う。


海青「…なんか、照れますね(笑)」


照れ笑いしながら、挨拶を済ませ、早速担当の方と打ち合わせを挟みながら撮影が始まっていく。


「海青くんがベットに座って、Aちゃんが正面に立って…ちょっと海青くんのネクタイ緩めてあげる感じで…そうそう!めっちゃかわいい!キュンキュンする!!!!」


担当者さんの熱のこもった指導により、照れる間もなく、サクサクと撮影が進んでいく。


海青「…今日の撮影、樹がめちゃくちゃ拗ねてました。」

『嘘だー(笑)』

海青「マジっすマジっす!なんで海青なんだって、蹴り入れられましたもん。」

『いっちゃん、すぐ蹴るじゃん(笑)』


何でもない話も、少しだけ視線を逸らせば、それなりにいい空気感になる様子でシャッターが切られていく。


「Aちゃんが壁側に立って、2人ともジャケットだけ脱いでもらって…Aちゃんが海青くんのネクタイ引っ張って、顔近付けたりしよう!」


言われるがままに、緩めた海青くんのネクタイをグッと引き寄せると、壁ドンされる。

カメラのシャッター音に合わせて、徐々に距離が近くなり、首元に海青くんの顔が埋まっていく。


「それ!いい!海青くんの顔も撮るからそのままで!」


ぐるぐると2人の周囲をカメラマンさんが回る中で、妙に近い距離のままで、ドキドキしてきてしまう。

急に恥ずかしくなって、目の前の分厚い胸に顔を埋めれば、腰に大きな手が当てられる。


「やーん!Aちゃんのほっそいウエストに海青くんの大きな手!めっちゃいい!海青くん、こっち向いて!」


カメラマンさんの熱も入って、ものすごい枚数の写真が撮れたと編集部さんにも感謝されて。


海青「…もう、樹に会うのも気まずいし、ちょっとAさんの顔見れん…」

『それ、こっちのセリフだよ…』


ドキドキが止まらなくて、この後別カットの撮影を残した海青くんを残して、逃げるように現場を後にした。

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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2021年5月29日 1時

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