Ripples 番外編(仮) (ページ32)

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再会を果たすページ32

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玲於となっちゃんと別れて、タクシーに乗り込む。

行き先を告げて、ボーッと窓の外を眺めていたとき。

樹待ってる

樹変わらず、愛してる

短く震えたスマホの画面を確認すれば、変わらずに愛の言葉を送ってくれる樹がいて。

玲於となっちゃんと話してきた内容を思い出しては、胸がギューっと苦しくなって。

震える指先で、画面をタップする。

樹A?

すぐに送られてきたメッセージに、ポロポロと涙が溢れる。

A会いたい

たったそれだけを送るのに、どれだけの時間がかかったのだろう。

すぐにつけられた既読のマークに、いっちゃんがどれだけ待ってくれていたのかを実感する。

樹どこにいるの?

ゆっくりとかかったブレーキに、慌てて涙を拭い、タクシーを降りる。

いっちゃんのメッセージに既読をつけて、そのまま歩き出す。

久しぶりのマンションだけど、身体がしっかりと覚えている。

少し震える指先で、部屋番号を押そうとした時、エントランスのドアが開く。

「…A…」

そのまま、お邪魔してしまおうかと思い、顔を上げたら。

ずっとずっと、会いたかった人が、息を切らして、そこにいた。

『…いっちゃ…』

開いたままのエントランスが閉まる前に、腕を引かれ、そのままエレベーターに乗せられると。

苦しくなるくらいに抱きしめられた。

ずっと、黙って、避けていたことを心苦しく思うものの、強く抱きしめられる温もりとか、樹の香りに心が安らいでいく気持ちもあって。

いっちゃんの部屋の階に到着すると、照れくさそうに顔を逸らして、また腕を引かれて歩く。

『…樹…？』

玄関に入って、すぐに名前を呼べば。

靴を脱ぐ間も惜しいとばかりに、抱きしめられて、唇が重なる。

溢れた涙も口付けながら指で拭われて、そのまま耳や首筋を刺激される。

盛れる吐息も全て、口で塞がれて。

どれだけそうしていたんだろう。

荒れた息を整えながら、目の前の彼を見つめれば。

樹「…愛してる。」

ずっと、送り続けてくれた言葉をくれる。

『…ずっと…樹のこと考えてた…』

目の前の、逞しい胸元にぎゅっと縋り付けば。

『…樹しか、見てないよ…』

大きな手がそっと後頭部に添えられて。

樹「…おかえり、A。」

『…ただいま。』

なんでもないような言葉を送り合えば、また甘い口付けが降り注ぐ。