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「何？悪いけど、バイクの修理だったら今日は閉店！」
見慣れない学生服姿の男を軽くあしらいながら立ち上がるヤマトに対し、少年はめげずに言葉を続けた。
「…俺のこと、覚えてませんか？」
「あ？」
「…1週間前、助けてもらった…」
「…あぁ…そうか、あんときの…」
思い出した様子のヤマトに一歩歩み寄り、勢いをつけて、更に続ける。
「自分、チハルって言います。この1週間…その刺繍を頼りに、ずっと探してました。あの時は…ありがとうございました。」
「おい！やめろよ、こっちこい…」
ヤマトは勢いよく頭を下げるチハルを制し、ガレージ奥のソファへと誘導する。
そこへチハルを座らせると、ヤマトも正面に座り、小さな声で話し始めた。
「…あのときは、つい手が出ちまっただけだ。」
「…実は、俺、転校したばっかで…何も知らなかったんです。喧嘩で強さを競い合うのがアイツらの遊び…それが鬼邪高のルールだなんて…」
「鬼邪高って言ったら…五留で一流、だっけ？ハタチ越えの奴らがいっぱいいてさ、超凶悪なクソ溜めだよ。」
いつの間にか近寄ってきていた苺美瑠狂の面々も話に加わってくる。
「実は…あん時、あんたが助けてくれたおかげで、更に酷くなって…」
「えぇ？…助けてやったのに？俺のせい？」
「もう鬼邪高にはいられねぇ。」
「じゃあ責任取んねーとな！」
「「な！！」」
「え？！責任って…」
「…山王連合会に！入れてもらえませんか？！」
勢いよく立ち上がり、チハルはヤマトをしっかりと見つめて言い放つ。
その姿を見て、ヤマトは目元を覆いながら俯いた。
「やっちまったな！」
「うるせ…つーか早く帰れよ！！」
次々と責められ、ヤマトは苛立った様子で苺美瑠狂を追い払った。
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作者名：にゃんちゅう
| 作成日時：2016年10月19日 7時
