▼past time ページ46
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物心ついたときから、近所に住む幼馴染のコブラはずっと隣にいてくれた。
ヤマトが加わり、ノボルが加わり、いつの間にか4人で一緒にご飯を食べたり、遊んだり、そこらじゅうを走り回って遊んでいた。
思春期を過ぎ、女と男の差を感じ始めてからも、3人は変わらずにそばで笑っていてくれた。
「もうすぐ卒業だっていうのに、この街も変わんねぇよな。」
自分たちの育った街が見渡せる、思い出の、ビルの屋上でノボルがぽつりと呟いた。
「ノボル!お前、大学行ってもぜってぇ負けんじゃねぇぞ!なぁ!最初が肝心だかんな!ここだぞ!」
「…ここな(笑)」
ノボルの大学進学を祝うために集まった屋上で、ヤマトが胸のあたりを自分の拳で叩きながらノボルに向かって熱く語り出した。
『もう…何しに大学行くと思ってんの?』
コブラの隣で、呆れながら、ヤマトにそう声かけると、ノボルも微笑んでくれた。
「けど…少し寂しくなるな。」
「…変わんねぇよ。この街も、俺たちも。」
「そして、お前のバカもな!」
「…うるせぇよ!お前、人のこと言えんのかよ!」
しんみりと話し出したノボルに、ヤマトが答え、茶化すようにコブラが続くと、ヤマトがコブラに掴みかかる。
お決まりの流れに、ノボルと2人で両端から笑い合うのが、私たちだった。
大丈夫。
きっと、みんなで戻ってくる。
世界中が敵になろうが、私たちは、仲間であることは変わらない。
また、あの頃と同じく、笑い合える。
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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2016年10月19日 7時