HiGH&LOW (ページ44)

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Bar ODAKE

「ただいまー！」

買い出しから帰ってきたママが、荷物をカウンターに置きながら、俯いたまま黙って座り込むコブラとヤマトを見つめる。

「…何シケた顔してんのよ、2人とも。」

声をかけても何も答えない2人に、ママは続けて話し出した。

「喧嘩の傷はすぐに消える。でも、絆は永遠に消えない。でしょ？」

ママが優しくコブラに語りかけると、コブラがピクリと反応した。

「…もう、答えは出てるんじゃないの？」

コブラの反応を確認すると、ママは振り返り、山王連合会のシールが貼られたボトルを静かに見つめた。

「…俺たちはただ、この街を守りたかっただけだ。」

コブラも同様に、ボトルのシールを見つめながら、静かに語り出した。

「誰に頼まれたわけでもねぇ。喧嘩しか取り柄がねぇ奴らが集まって。誰かが勝手に山王連合会って呼び始めた。組織を名乗れば、必ず面倒くせぇ奴らに的にされる。それは宿命みてぇなもんだ。でも…この場所があれば、帰ってこれる奴もいる。2匹の虎が、希望の丘を守るように支え合う…全部あいつのためだった。」

コブラの言葉に呼応するように、ヤマトも同じボトルのシールを見つめた。

カランカラン…

『…はぁ…電話！出てよ…』

達磨の一件を伝えようと走り回っていたAが、息を切らしながら怒ったように言うと、慌ててヤマトが携帯をチェックし始めた。

『あぁ～！もういいから！早く行って！』

自分よりも遥かに大きなヤマトを立ち上がらせ、店の外に追い出すとき、静かに立ち上がったコブラと目が合った。

なんとなく気まずくて、目を逸らすと、コブラがクスリと笑ったあと、ポンっとAの頭を撫で、外へと出て行った。

『…コブラっ！…ちゃんと、待ってるから…みんなで、帰ってきてよね…！』

慌ててAが外へと向かい、コブラとヤマトの背中に声をかけると、コブラが右手を挙げ、バイクで走り出していった。