HiGH&LOW (ページ43)

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DINER ITOKAN

「何回も言ってんじゃないっすか！仁花のプレゼントは、俺が1人で買いに行くんで。」
「いや、俺も行く。」
「仁花とか言ってんじゃねーよ！」

ダンとテッツの言い合いに、なぜか尾沢先輩までもが乱入し、揉み合いになりながら店の扉の方まで歩いて行った3人の姿を、カウンターからナオミと笑って見ていた。

「達磨が来たぞ！大群だ…！」

こんなにも穏やかで、幸せな時間の中に、悪い報せは突然に舞い込んで来た。

「…おい。人数集めといてくれ。コブラとヤマトにも伝えてくれ。」

いつになく真剣な顔つきで下っ端に指示するダンに、ただ事ではないことがヒシヒシと伝わってきた。

「俺らは、俺らで行くぞ。」

ダンがテッツやチハルに声をかけると、頷き合い、店を出て行こうとした。

「ちょっと待って！」
「…分かってる。この街ではやらんから。」

ナオミの制止の声に、ダンが振り向きざまに答え、そのまま出ていってしまった。
Aは、ナオミと顔を見合わせて、ため息をついた。

「ダメだ…あいつら、電話出ねぇ。」
『…コブラのところ、行ってくるね。』

受話器を戻しながら、大きく息を吐いたナオミに、そう告げると、ITOKANから慌てて駆け出した。