Episode9.達磨一家 ページ42
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DINER ITOKAN
『はい、お久しぶりのチハルちゃんに、A特製ランチのプレゼント！』
「わ！めっちゃ美味そうですね！」
『たーんと召し上がれ！』
キスをされた日から、コブラとは少し距離を置いている。つもり。
ITOKANに来れば顔を合わせてしまうことは分かっているけれど、あれだけ毎日のように通っていたにも関わらず、突然ITOKANに行かなくなってしまうと、ナオミを心配させてしまうと思い、いつも通りにこの場所には通っている。
賑やかなITOKANは、私にとっての癒しの場所だ。
「…だからぁ！ついてこなくていいって言ってるじゃないですか！」
「あかん！テッツのセンスが心配や。…彼女の誕生日プレゼントならな…俺に任しとけ。」
急に立ち上がったテッツとダンに目を向けると、女の子へのプレゼントがどうの、とか言い合いを始めた。
「別に…彼女とかそういうんじゃないですから…」
「仁花ちゃんの喜ぶ顔が目に浮かぶわぁ〜」
テッツもどこか納得した様子で、2人連れ立って出て行こうとしたとき、慌てた様子で尾沢先輩が駆け込んできた。
「ちょっ！大変だ！ちょーーーーーっとーーーー！！聞いてくれ！！」
「…そんなに急いで…どうしたんすか？」
「…日向が…出てきたらしい…」
「…嘘だろ…」
「……誰すか？」
事情を知らないチハルの声が、やけに響いた気がした。
Bar ODAKE
「…なぁ、お前にとって、山王連合会って…なんだ？」
ママから留守番を頼まれたコブラが、ヤマトへ向かって静かなトーンで語りかけた。
「…家村会は本気で俺たちを潰す気でいる。」
「…んなもん、負けるわけにはいかねぇだろ。…あいつは絶対戻ってくる。いや…戻す。」
「…あいつのためにしてやれることって、何なんだろうな…」
ヤマトがグッと拳を握りしめ、コブラも一点を見つめて、大切な仲間のことを思った。
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作者名：にゃんちゅう
| 作成日時：2016年10月19日 7時
