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その後、ITOKANにやって来たヤマトから、レッドラムは家村会の指示により、無名街で作られ、RUDEのシオンがその利益を着服していたこと、チハルはノボルに声をかけられ、家の事情により止むを得ず、そこで働いていたということをコブラは聞かされた。
「…すいませんでした…俺のせいで…ケジメは、つけるつもりです。俺……山王連合会、辞めます…。」
1人立ち尽くしたままだったチハルが、コブラの方を見て、声を震わせながら言った。
「俺…ずっと1人で、仲間もいなくて…だから、みんなの仲間に入れてもらって、本当に嬉しかった…。だから…俺は、耐えられなくなった…！みんなを騙し続けることが…。本当は、早くぶちまけたかった…だけど…先に…あのSDカードを見られちまって…気付いたら、夢中になって走ってた。…こんなことになるなんて…本当に、本当に…すいませんでした。」
泣きそうになりながらも、言葉を発するチハルに、全員が真剣に耳を傾けていた。
「…辞めるのは、てめぇの勝手だ。」
ずっと黙ってチハルを見つめていたコブラの、静かに発した言葉が、やけに響いた。
チハルは、その言葉を聞き、静かにその場から立ち去ろうとした。
「…でも、1人で悩んで、勝手に答え出してんじゃねぇよ。」
立ち止まったチハルに、コブラが歩み寄っていく。
「俺たちは、絶対に仲間を見捨てねぇ。」
「…そうだな。」
力強く言い切ったコブラに、ヤマトが微笑みながら同調すると、他のメンバーも次々と立ち上がり、チハルの方へと向き直る。
「…コブラさん…ヤマトさん…」
「…悩んだら、相談しろよ。それが仲間だろ？」
「…ありがとうございます！」
うっすらと目に涙を浮かべながら頭を下げたチハルに、ヤマトが優しく歩み寄り、肩を抱き寄せた。
その瞬間に、ITOKANは笑顔が溢れ出した。
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作者名：にゃんちゅう
| 作成日時：2016年10月19日 7時
