HiGH&LOW (ページ39)

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DINER ITOKAN

「…さっき、ノボルに会ってきた。」
「…あいつ、何て…？」

コーヒーカップを差し出し、少し離れた場所に腰掛けながら、ナオミはコブラと話していた。

「…ノボルは、どうしたらここに戻ってこれんだよ…。」

ナオミがチラリとコブラに視線を向けると、コブラは話を続けた。

「…家村会はSWORDを支配するつもりだ。…もう山王にも容赦しねぇだろう。…アイツのためにも、仲間のためにも…ぜってぇに負けらんねぇ。」

真っ直ぐに前を見据えながら話したコブラと、写真立ての中の兄貴が、少しだけ重なって見えた。

「…そういえば、Aの家、手伝ってたみたいだけど、会えたのかよ？」
「…いや。」
「そっか…。Aに、ノボルのことは…？」
「…伝えてない。」
「…そう。」
「…少しでも、アイツにとって辛い思い出は…考えさせたくねぇんだよ…」
「…そうだな…。」
「…もう、あの時みたいに…泣かせたくねぇんだよ…」
「…昼間、ここに来たときは…すっかりいつも通りみたいに笑ってたんだけどな…無理、してたのかもね…。」

俯きながら、寂しそうに言ったナオミに、コブラは何も言うことはできなかった。