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DINER ITOKAN
『こんにちはー…って、苺美瑠狂が集合してるの、珍しいね。』
勢いよくITOKANの扉を開くと、目の前の大きなテーブルに座るピンクの特攻服が目に入った。
「A…こっち。」
ナオミに促されてカウンターに座り、苺美瑠狂の話に耳を傾けた。
「こいつが…この前、合コンで知り合った男に、コレを飲まされそうになって…」
「…医者の卵とか、ふざけんなよ…」
「誰がさばいてやがんだ…」
「そういや、最近この辺りにも見ねぇ顔が増えてんな。」
ナオミが水を差し出しながら、話を切り出した後、Aの隣のスツールに腰掛けた。
「ダウトの連中かもな…湾岸のスカウトの連中で、女を売り買いする最低な…」
「最低な野郎だ。」
今まで黙り込んでいた純子が、明日香の声に重ねるように発言した。
「…純子さん、どうします…？」
「…医者の卵とか、聞いてねぇし…てめぇら、何勝手に合コン行ってんだよ！！！」
店内の全員が呆気に取られていたが、箒を奪って暴れ出そうとする純子に、慌てて山王の下の奴らが純子を取り押さえた。
「私も合コン行きてぇーーーー！！」
相変わらずな純子の姿に呆れながらも、ナオミと顔を見合わせて笑った。
「…そういえば、コブラ…昨日あんたのところ、行った？」
『え…？来てないけど…なんかあった？』
「いや…何でもないけど…手の傷、大丈夫？」
『…あー…うん。昨日は、取り乱しちゃってゴメンね。』
「いや、いいよ。今までのお礼。」
『えー？私、ナオミに何もしてないよー？』
「…隣で、笑ってくれてたから…」
『……？』
冗談めかして答えた私の頭に触れながら、小さく言った言葉の意味が分からず、戸惑っていると、ナオミが笑顔で続けた。
「…いつも、ありがとな。」
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作者名：にゃんちゅう
| 作成日時：2016年10月19日 7時
