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DINER ITOKAN
「ちょっと!そんな格好で座んな!」
「色々あんねん!」
ITOKANにはいつものように山王連合会が集合していたが、ダンの格好が気に入らず、ナオミがイライラしながら言葉を発すると、ダンも事情があるのだと言い返してきた。
「…ダン、何があった?」
「…えらい所に行ってもうた…」
ダンはポケットから黒い袋を取り出し、叩きつけるようにテーブルの上に置いた。
ヤマトがその袋を手に取り、くるくると回して確認する。
「…レッドラムって呼ばれてる、新型のドラッグや。去年から湾岸地区で流行っとって…。最近ではSWORD地区でも出回り始めとる。」
「…前にシメた奴らが持ってたアレか…」
「あぁ…!アレ、そうっすね…!」
「しかも…そこで誰見たと思う…?………チハルや。」
「…どういうことだ…?」
「Heavenで俺を巻き込んだ女、ララって言うんやけど…そいつ、つけてったんや。そしたら、いつの間にか、無名街の小さなビルに迷い込んで…そこで、レッドラムが作られとった。そこにチハルもおって…完全に奴らの仲間って感じやったわ…」
「…ヤマト。お前、どこまで知ってんだ…?」
ダンの話を聞きながら、視線を彷徨わせるヤマトを、コブラが見逃すはずもなく、案の定問いかけられると、返事に詰まってしまった。
「チハルが店から飛び出して行って…ヤマトさん、Aさんと一緒に追いかけて行きましたよね?」
「Aも…?」
「あん時…何があったんすか…?」
テッツの発言にナオミが思わず反応するが、テッツはそのままヤマトに問いかけた。
「それは、言えねぇ。…奴の言い分を聞いてねぇ。俺の思い込みで話すわけにはいかねぇだろ。」
「…何でそこまでアイツの肩持つねん。」
「…俺たちには、言えねぇのか?」
コブラの問いかけに対しても黙り込んでしまったヤマトに、全員が苛立った様子で動き始めた。
「…帰るぞ。」
コブラの一言で、その日は解散となった。
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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2016年10月19日 7時