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DINER ITOKAN
店内の片付けを手伝おうとITOKANに向かい、扉を開こうとしたところで、ナオミが誰かと話していることに気付き、思わず手を引っ込めてしまった。
「来んなって言っただろ…」
「…連中には必ず借りを返させる。」
ヤマトが力強く発した言葉が、店の外まで聞こえてきた。
「…やめろ。」
「店をこんなにされて、黙ってんのか?!」
「…仕返しをして、また仕返しされて…その繰り返しじゃねぇかよ…。憎しみの連鎖なんかいらない。…ノボルだって、そのせいで…!」
ナオミの言葉はほとんど聞こえなかったが、ヤマトは言い返すことができなかったようで、暗い表情を浮かべて店の外に出てきた。
「…A…!」
『…ごめん。ちょっと聞いちゃってた。』
「…悪い。ナオミのこと、しばらく頼むわ。」
『…うん。』
「…あと、コブラのとこにも後で顔出してやって。」
『コブラ…?どうかしたの…?』
「…まぁ、あいつも色々あんだわ。頼んだぞ。」
コブラの名前が出てきたことを疑問に思い、大きなヤマトを見上げると、ヤマトは困ったように笑って、Aの肩をポンッと叩くと、そのままどこかへ歩いて行ってしまった。
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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2016年10月19日 7時