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「なーAー?ミホから連絡あったー?」
『うーん。なんかの打ち上げ?誘われたから、そっち顔出してから来るってさ。』
「ふぅーん…」
『まぁ、色々付き合いとかあるんじゃない?気長に待ってよ!』

昼間にミホからそう連絡が来ていたため、ナオミと2人でITOKANで待っていたが、夜になっても連絡は来ず、その日の女子会は開かれることはなかった。


「Aのところにミホから連絡行ってない?」
『え…?』
「いや、電話繋がらなくてさ…大学も来てないっぽいんだよ。」
『私も電話繋がらないんだよね…。家は?』
「インターホン鳴らしても出ない。」

ノボルから相談をされる前にも、おかしいな、と思い、何度も連絡はしていた。
しかし、ノボルと同じように電話は繋がらず、メールも何度も送っていたが、返信は来なかった。

その後、大学内で数人の男子が話している内容から、ノボルは全てを知ったと聞いた。




ミホに会いたい、一緒についてきてほしいとノボルに言われ、ノボルと2人でミホの家を訪ねるが、ノボルがいくら声をかけてもミホが姿を見せてくれることはなかった。

「ミホ!頼むから開けてくれ!いるんだろ?」
『…ノボル…鍵、開いてる…!』

ノボルの声を聞きながら、ふと触れたドアノブは思ったよりも軽く、ノボルと共に慌てて扉を開いた。

ノボルと一緒に部屋に入ると、暗い中でかすかに水音が聞こえ、浴室に向かった。
そこには、手首を切り、浴槽にもたれかかって倒れているミホがいた。

取り乱すノボルを落ち着かせながら、なんとか救急車を呼び、ミホは病院に運ばれた。

一命を取り留めたものの、治療は長引いており、その間もずっと取り乱していたノボルを、病院の廊下で励まし続けた。

「…許せねぇ…」
『ノボル?待って…!どこ行くの?!』

一言つぶやいて、歩き出したノボルの腕を掴んで引き留めようとしたが、優しいノボルからは想像もつかない程の強い力で振り払われ、ノボルは歩いて行ってしまった。

「…A…?ノボルがさっき出てくの見たけど…どうした?」
『…ノボル、止めなくちゃ…っ!』

病院に来てほしいと連絡していたナオミが、ノボルと入れ違いに到着したところで、ノボルを追いかけなければ、と慌てて走り出したが、その姿は見つけられなかった。

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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2016年10月19日 7時

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