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DINER ITOKAN
『…何これ…？！』
「…Aっ…」
ITOKANに着くと、荒らされた店内に驚いて、言葉を失った。
その中で、微かに自分を呼ぶ声が聞こえ、その方向へ目を向けると、小さく蹲るナオミを見つけた。
『ナオミっ！大丈夫？怪我はない？』
「…大丈夫…」
『…ここ、危ないから…立てる？』
蹲るナオミに慌てて駆け寄ったとき、思い出の、空き瓶で作られたシャンデリアが落ち、一部が粉々に割れていることに気付き、一瞬立ち止まってしまったが、ナオミの安全が今は最優先だ。
ナオミをカウンターのスツールに誘導すると、コブラが一点を見つめていることに気付き、その視線を辿っていくと、これがWhite Rascalsの仕業だということが分かった。
唇を、きつく噛みしめるコブラの横で、呆然とスツールに腰かけるナオミの後ろで、そっと携帯を取り出し、もう1人の幼馴染へ、SOSを送った。
「ナオミっ！おい、誰が一体こんなことしやがった！！」
ヤマトが勢いよくドアを開け、店内を見渡すと、声を荒げながらナオミに駆け寄ってくる。
『ちょ…ヤマト…』
「やめろっ！！」
慌てて、ナオミからヤマトを引き離そうとAが立ち上がったとき、コブラも大きな声でヤマトを制し、奥の壁へと視線をやる。
ヤマトが店の奥へと進み、壁にスプレーで大きく記された文字を見つけ、呟いた。
「…White Rascals…何で連中がここに…？」
その横で、少し気まずそうに俯いていたダンに気付き、強い言葉でヤマトはダンに詰め寄った。
「俺は…ただ店に行っただけや！知らんかったんや、奴らのシマやなんて…。」
「…Rascalsの店に行ったのか…？」
立ち上がって弁解しようとするダンに、コブラも静かに問いかけた。
「…変な女に誘われて…」
あの時か、とAが気付いた瞬間、コブラは勢いよく立ち上がり、ダンを壁際に突き飛ばしていた。
「…何した？」
「コブラさん、やめてください。俺も悪いんすよ！…怪しいと思ったんすけど、止めなかったから…」
テッツが仲裁に入ろうとするが、聞く耳も持たず、コブラはただダンを見つめていた。
「…どいつも、こいつも…てめぇら山王潰す気か？！」
「やめろ！！」
何も言わないダンに痺れを切らして叫んだコブラに、制止の声をかけたのはナオミだった。
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作者名：にゃんちゅう
| 作成日時：2016年10月19日 7時
