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DAN Store
「「らっしゃいませ！！」」
明くる日、父のおつかいで仕事の合間に檀商店に向かうと、ちょうど、商品に手が届かずに困っていた小さな少年をコブラが助け、屈んで少年に商品を手渡しているところに出くわした。
コブラがチラッと純子さんの方へと視線を向けると、慌てた様子でキョロキョロと辺りを見渡す純子さんは、恋する乙女といった感じで可愛らしいと思う。
「なんだよ…」
「…ブラックしか受け付けねぇし！！」
どこか素直じゃない純子さんも、また憎めない。
『コーブラっ。』
「…おう。」
『またカップケーキ？』
「うるせ。」
『パパとお揃い。私も半分貰ってるけど、このケーキ美味しいよね。』
「…これと、これ。2つずつ。」
『は？そんなに食べるの…？』
「ちげーよ。お前んちの分。」
『え…？』
「216×4は？」
「…は？」
「216×4！！」
『864円！！や、私ちゃんと払うからね！』
サラリとカップケーキを4つ頼むコブラと、ツインタワーもご丁寧に２つずつに分けて包装してくれている姿に慌ててしまう。
会計の計算問題に答えながらも財布を取り出すのに手間取ってしまい、いつの間にかコブラが会計を済ませて、手を引かれた。
「「っした！！」」
「…見下ろすんじゃねぇよ。でけぇんだよ。」
店を出ると、コブラはすぐに手を放し、カップケーキを食べながら歩き出した。
『お金、返す。』
「…いらね。」
『…もう…』
「ん。」
先を歩いていたコブラが急に振り返り、食べかけのカップケーキを差し出してくる。
『…ん？』
「食え。」
『は？』
「食ってみろって。」
『ちょっ…！？』
近寄ってきたコブラに、ほぼ無理矢理、カップケーキを口に入れられる。
口数も少なければ、強引な奴だ。
「てめぇら！！人前でイチャついてんじゃねーよ！！！」
『イチャついてないし！！！』
一部始終を見ていただろう苺美瑠狂の面々に叫ばれ、自分でも顔が真っ赤になるのを感じた。
コブラは我関せずといった様子で先に歩いていってしまった。
やっぱり、勝手な奴だ。
そのまま2人でパパにカップケーキを届けると、コブラに奢られてすっかり気を良くしたパパは、デートしてこい！なんて言って、店から私を追い出した。
勝手な奴は我が家にもいたなぁ…なんて思いながら、コブラと2人でITOKANに向かった。
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作者名：にゃんちゅう
| 作成日時：2016年10月19日 7時
