Episode4.White Rascals ページ19
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『ありがとうございました！またよろしくお願いします！』
山王街で唯一遅くまで開いている花屋ということで、Aが夜のお店に配達へ行くことも多く、この日もいつもお世話になっているお店への配達を終えたところであった。
『あれ…テッツ？何してるの、こんなところで…』
「あ、Aさん…いや、あの…ちょっと…」
息も切れ、慌ててキョロキョロし始めたテッツが怪しいと思い、辺りを見渡すと、可愛らしい女の子と話しているダンの姿が目に入った。
『…何、ナンパ？』
「いや！違います！…や、違わないのか…？」
『え…なんか、行っちゃうけど…え…？』
女の子に手を引かれ、嬉しそうに振り返り、親指を立てて行ってしまったダンに、テッツと呆れながら帰路についた。
『あんなにデレデレして…ホイホイついてっちゃって、大丈夫かな…』
「まー…ダンさんも、そこまでバカじゃないって信じたいっす。あ、Aさん、送りますよ。」
『あ、ありがとう。』
私が押していた配達用の自転車のハンドルをサッと取り、送ると言ってくれたテッツが、頼もしくなったなぁ、と感じた。
「Aさん、最近コブラさんとどうなんですか？」
『…え？どうって…？』
「いやいやいや。俺ら、ちょうど彼女欲しいなって話してて、コブラさんとAさん、きっと今頃イチャイチャしてんだろうなーって言ってたんですよー。」
『え、待って…私、コブラと別に付き合ってないからね？』
「またまたー！コブラさんがよくAさん家泊まってるの、知ってるんですからねー！」
『パパもいるから！ただの幼馴染だから！もう、変なこと言わないでよ…』
「えー…？」
『違うからね！』
しっかりと事実を伝えたが、納得できてない様子で、テッツには笑いながら流されてしまった。
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作者名：にゃんちゅう
| 作成日時：2016年10月19日 7時
