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「おぉい!…猪木さんへのリスペクトが足りないんじゃないか、お前ら…」
コブラの言葉に背を向けながら、ヤマトは何も知らないチハルをサッとコブラの方へと押しやる。
「兄ちゃん…喧嘩はどこだ。…ここだろ?」
「はい…」
「燃える闘魂持ってるか、おい。」
「はい…」
チハルが可哀想になり、Aはヤマト達のそばに向かうが、真剣なコブラの顔が目に入り、笑えてしまった。
「…猪木ボンバイエ、猪木ガンバレ…どっちだ…?」
「…ガンバレ…?」
ペチン!
チハルの返事から間を開けず、素早いビンタの音が聞こえると、後ろで見守りながらも、全員が笑いをこらえきれず、吹き出してしまう。
「元気ですかって、言ってみろ。」
「…元気ですかっ」
ペチン!
「もう一回。」
「…元気ですかっ!」
ペチン!
「…俺の、猪木さんへの愛を…お前に分けてやる。ちゃんとしろよ!」
ペチン!
愛用の赤いストールをチハルにかけたコブラに笑いが止まらず、テッツは涙目になりながらも写真を撮り始めた。
「もう一回、言ってみろ。」
「…元気ですかーっ!!!」
「合格ーーー!!!」
「おっしゃー!!」
チハルに抱きついたコブラの顔が、本当に嬉しそうで。その横で盛り上がるみんなを見て。
ほんの少しだけ、昔の彼らと、その中で、よく笑うコブラを思い出して、しんみりした。
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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2016年10月19日 7時