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「迷惑かけました。俺…山王は諦めます…」
「なんや、それ。じゃあ、今日は何やったん?」
「かき回すだけかき回しやがって…。」

チハルの言葉にダンやテッツが苦言を呈す中、無表情で手中のグラスを見つめる姿が目に入り、思わず口出ししてしまう。

『コブラ。』

呼びかけると、ゆっくりと振り返り、少し怯えた様子のチハルに目を向けた。

「…好きにしろ。」

そう一言だけ呟くと、コブラはまたグラスに手をかけ始めた。

「まぁ、お前も筋通したしな!」

ヤマトも続いてグラスを傾けると、ママは山王連合会専用のボトルをカウンターに取り出し、ショットグラスを人数分用意し始めた。

『…向こう、行こっか!』

Aは未だ呆然と佇んでいるチハルの手を引いてカウンターの方に歩みを進めると、ヤマトがチハルにグラスを差し出した。

「あ!お前、まだ未成年だっけ…?」
「いや、ハタチっす!色々あって…」
「え、こいつ、超バカじゃん!」
「お前、アホやなぁ…」

テッツ、ダンと仲間ができたことが嬉しい様子で、早速チハルをイジり始めていた。
そこにグラスを持ったコブラの手がスッと差し出され、全員で乾杯し、グラスを傾け始めた。
チハルがコブラの方へと歩み寄り、グラスをぶつけ合うのを見届け、微笑ましい気持ちになりながらAはカウンターを離れ、救急箱の片付けに向かった。

ガタンッ!

「始まった…後よろしく!」

荒れ始めたコブラを見て、そそくさとママは逃げて行ってしまった。

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作者名:にゃんちゅう | 作成日時:2016年10月19日 7時

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