Episode3.山王連合会vs鬼邪高校 ページ14
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雨宮広斗との再会の後、チハルからの質問責めに合いながらも、逃げるように自宅に帰ると、テッツから連絡があった。
「さっき、コブラさんに今日あったこと、伝えてきました。」
『…そっか…』
「それで…その…」
『…怒鳴られた？』
「や…まぁ……はい…。」
『…そうだよね…。』
コブラの荒れた姿が目に浮かび、今日コブラに会いに行かなかったことを、少しだけ後悔した。
HINO GAS STATION
『コブラ…ちょっとだけ、いい…？』
「…ん。」
翌日、仕事の休憩時間にエプロン姿のまま、コブラの仕事場を訪れた。
奥の休憩所に1人でいるコブラを見つけ、了承を得ると、隣に腰かける。
これは、山王連合会ができた頃からの習慣だった。
『…昨日の、こと…なんだけどね…』
「……」
以前よりも笑顔が少なくなったコブラの、あの鋭い目でまっすぐに見つめられると、自分の決意が揺らいでしまう気がするから、正面には座らない。
けれど、今日ばっかりは、その習慣も役立たないのではないかと思うくらいに緊張していた。
『…ヤマトから聞いたわけじゃないから、私もよく分からないんだけど…放っておけないんだと思うの、あの子のこと…。もう、後悔したくなくて、きっと…今度こそ…1人で悩ませたくない…助けてあげたいって…』
少しだけ、視線をこちらに向けたコブラに気付き、顔を向けると、コブラはAの視線から逃げるように視線を下に向けた。
きっと、心のどこかで、彼も同じようなことを考えていたんだと思う。
『…コブラが、山王を大切に思う気持ちも…分かってるつもり。私が口出しすることじゃないって言うのも分かってる。けど…私も…』
「もういい。…分かったから…」
コブラの手が、Aの頭に触れ、少しだけ引き寄せられると、視線が絡み合う。
コブラの鋭い視線から逃げられないまま、優しく、コブラの指が頬に触れると。
「コブラっ！！」
背後のドアから、慌てた様子のナオミの声が聞こえると、コブラはAの頭をぽんっと叩き、静かに立ち上がった。
この一歩を踏み出せば
SWORDの均衡は崩れる。
そんなことは分かってる。
でも
俺たちは
もう二度と、後悔したくねぇ。
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作者名：にゃんちゅう
| 作成日時：2016年10月19日 7時
