～忘れられた記憶～part2 (ページ23)

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マット・ハッター２ページ23

ピンポーン

キャレンから一方的に絡まれてるときだった
玄関から来客を知らせるインターフォンの音がした

ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン

この押し方は間違いなく大樹だ
最近はインターフォンの押し方で来訪者がわかるようになってきた。

大「A!!!A!!!」
ドアから漏れる声にうんざりする
松「どうしたのよ早く開けてやりなさいよ」
ドアの前で立ち尽くす私にキャレンが開けるように促す
「だって、これ以上迷惑な人間増えると嫌だし」
松「そうよねぇ。これ以上迷惑な人増えたら困るわよねって迷惑ってあたしのことかぁぁあ」
キャレンに再びマカロンをぶつけられながらしぶしぶどあを開けた。
「はいはい。なによ大樹」
大「A！ここを出るぞ」
「え？」
顔を合わすなり、大樹が私の腕を引っ張る
いつになく真剣な顔つきの大樹に戸惑ってしまう
「え、突然なに？」
大「いいから、黙ってついてこい！」
「意味わかんないし。どうして私が出ていかなきゃいけないのよ」
大「…雨宮が約束を破った」
大樹の声から怒気が伝わる。
大「あいつは俺との約束を破った。だから、Aを返してもらう！」
強引に部屋の外へ引きずり出される
「やめてよ大樹！靴くらい履かせてよ。それに、約束ってなに？」
大「お前は忘れているから仕方ない、雨宮は以前俺と…」
松「大樹」
キャレン難い貴の言葉を遮る
松「落ちつきなさい。なにがあったのよ」
大「…物騒なやつらと雨宮が親しげにしてるのを見たあれほど連中とは関係を絶てと念を押したのに…！」
大樹はテーブルをバンッと叩いた
松「大樹の見間違えかもしれないじゃない」
大「見間違えじゃない！確かに僕は、この目で見た」
松「証拠もないのにここで言い争ってもしょうがないわ…行きましょう」
「行くってどこへ？」
二人の話についていけなくて困惑する
松「まーくんをつけるのよ。やっぱりここは、変装してまーくんをつけるしかないわよね。」
キャレンをみつめる
松「なによ！その目は」
私と大樹は変装すればバレないけどキャレンは…
松「あんたら二人に任せられるわけないでしょ」
「でも、ほらキャレンって目立つじゃない？」
松「大丈夫！あたしにいい考えがあるの」
キャレンの言葉に、私と大樹は頷くしかなかった
松「私が戻ってくるまで勝手に行動しないでよね」
部屋から出ていくキャレンの後ろ姿を呆然と眺める。