Wonder Land 2 ページ13
「行きたいです」
アルバムを見てたらどうしても行きたくなってしまった。写真の雨宮さんに心惹かれてどうしようもない。
好きだからこそ、彼の知らない一面が気になって仕方ない。
雅「ダメです。お医者さんも言ってたでしょう。Aさんは、不安定な状態なんです」
「でも!」
雅「頭痛は?気分が悪いときは?もう直ったんですか?」
「それは時々」
雅「なら、無理ですね。そんな状態のAさんを遊園地のような騒がしい場所につれていけません」
「お願いします。私無理しませんから!行くだけでいいんです、だから…」
あの写真のような、見たことない雨宮さんを
見つけたいんです…。早く思い出したいんです
雅「…Aさん。わかりました、行きましょう。その代わり約束してください、遊園地では僕の言うことに従うこと、いいですね」
「は、はい」
雅「絶対にですよ、守れなかったらすぐに帰りますから」
「…はい」
神妙にうなずく私に、雨宮さんがまた笑った
雅「本当はあんまり無理をさせたくないんですけどね」
いつだって私の心配ばかりしてくれる。
そんな優しさが嬉しいけど、もしもAだったら、こんなんじゃなかった?
気なんて遣わないで、もっと楽しそうに遊園地の話をした?そう思うと哀しくなる。
どうしようもない気持ちを抱えて、いつものように途方に暮れてしまう。
雨宮さんとの遊園地。
行って記憶の手がかりを見つけるんだ。
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作成日時:2016年11月9日 0時