検索窓
今日:18 hit、昨日:23 hit、合計:133,748 hit
小｜中｜大

時羽家の妖怪たち ページ9

六時頃になって、Aと青龍は団々坂の家に帰ってきた。

『ただいまー』

［ギャウ！］

戸を開けると、ドタバタという音が玄関にやってきた。

［おかえりー！］

［キュピ！］

二人を出迎えたのはセーラー服を着たピンクのネコと、首に可愛らしい蝶ネクタイを着けた黄色の小さいヘビだった。
二匹の妖怪はAの腕の中に飛び込んだ。

『ただいま、マリン、ノコ』

［もうっ。遅いから心配したじゃない！］

『ごめんごめん。電車通学だから仕方ないよ』

［キュピ、キュピキュピ？］

『まったくアンタらは......。心配しなくても事故も事件もなかったから安心しな』

心配症な妖怪たちに苦笑し、Aは靴を脱いで居間へ向かった。
この妖怪たちはセーラーニャンとツチノコ。
Aは「マリン」と「ノコと呼んでいる。
そこでは祖母が夕食の支度をしていた。

『ただいまババ様』

「おやおかえり。新しい学校はどうだった？」

『居心地が良くて過ごしやすかったよ。ごめん、夕飯の支度手伝えなくて』

「いいんだよ。荷物を置いたら座りな。青龍、マリン、ノコ、アンタ達も」

［ギャウ！］

［はーい！］

［キュピ！］

三者三様に返事をすると三匹は夕食の席に着き、Aは自分の部屋がある二階へ登っていった。
荷物を置いて部屋着に着替えると、Aは下に降りた。

と、その時、

［寝巻き姿にも艶があるのう、A］

バキッ！！

後ろから聞こえた声にAは間髪入れずに回し蹴りを炸裂させた。
蹴りは見事に標的の顔面に命中し、標的は吹っ飛んで壁に衝突した。
数秒後に身体を起こしたのは、目元を覆う鬼の仮面を着けた金髪の妖怪、酒呑童子だった。

［いつつ......いやぁ相変わらず容赦ないのぉ］

『やかましい。なんでアンタまでいるんだい、酒呑』

［たまたま近くを通ってなぁ。せっかくじゃからちょっくら顔を出して酒を頂こうかと......］

『うちには酒は調理用しかないし、アンタは今は禁酒中だろ。スポドリで我慢しな』

［なんじゃつれないのう。ちょっとくらい飲んでもいいじゃろ？］

『アホ。その酒癖のせいで昔人間に負けたんだろ』

［いや〜。あの人間は強かったからなぁ！］

『その人間も強いんだろうけどアンタの最大の敗因は酒とそのアホさ加減だ』

バサバサ言うAだが、酒呑童子を追い出すことはしない。
これでも大切な友だちなのだから。

『ま、飯くらいは食ってきな。酒は出せないけどね』

［おお、優しいのう！やはり儂の嫁に］

次の瞬間、酒呑童子にアッパーが炸裂した。

祖母の謎→←信じてる



→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って！｜面白い！→ )

点数: 9.8/10 (99 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
136人がお気に入り
アイコン この作者の作品を全表示｜ お気に入り作者に追加｜アイコン 感想を見る
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム： 感想：  ログイン

乃愛(プロフ) - 妖怪たち（全員）にも恋愛的に愛されたいです！いきなりすみません🙇 (2023年3月14日 14時) (レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
 乃愛(プロフ) - 妖怪ウォッチの逆ハーあんまりないから嬉しいです！無理せずに頑張ってくださいね！妖怪たちイケメンやかわいい子多いから選べないですよね！ (2023年3月14日 14時) (レス) @page8 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
 吹雪彩香 - 続き待ってます。 (2019年8月14日 15時) (レス) id: 2851876f67 (このIDを非表示/違反報告)
 吹雪彩香 - 続きが楽しみ過ぎて眠れません(*≧∀≦*) (2019年8月13日 17時) (レス) id: 2851876f67 (このIDを非表示/違反報告)
 ろーそく - 何回も読み返しました！面白かったです。続き頑張ってください！ (2019年8月9日 23時) (レス) id: 5941402851 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名：AZUSA | 作成日時：2018年9月30日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。