青いドラゴン ページ48
それからしばらくして、Aと染岡は円堂たちと合流した。
その際にマネージャーとして入部した春奈に猛烈アタックを受け、珍しく狼狽えた様子のAがいたことは余談である。
染岡は一時練習を中断して、円堂と土手に座って何かを話していた。
話し終えた染岡の顔は、Aと話す前よりも晴れやかでどこか吹っ切れたようだった。
そんな出来事から、尾刈斗中の試合まであと一日を切っていた。
あれから数日、染岡は今ではワンマンプレーをすることなく、シュートの練習を順調に続けている。
染岡に影響され、チーム内の連携も良くなってきていた。
そんな染岡にホッとしつつ、Aは橋の上の存在にチラリと視線だけ向けた。
逆立つ銀髪に稲妻型の眉。
豪炎寺だった。
何日か前から、彼は雷門イレブンの練習を見に来ている。
帝国戦で「今日限りだ」と言っていた割には、サッカー部が気になっているようだ。
そして何故か迷ったように顔を歪ませて静かにその場を去っていく。
しかし、Aが気になっているのはそれだけではなかった。
『(なんでベンチを見てるんだ……？)』
そう、豪炎寺は時折何かを気にかけるかのようにベンチに視線をやっている。
そこにいるのはマネージャーの秋と春奈、休憩にやってくる部員、そして青龍やセーラーニャン、ツチノコたちだ。
青龍たち妖怪が見える筈がないのだが、Aはどうも豪炎寺の視線の先に青龍たちがいるような気がしてならないのだ。
『(思い過ごしだといいけど……)』
こういう時に限って自分の予感が嫌な方向に当たることは、Aが一番知っている。
そんな事を考えていた時だった。
「うぉおおおお！！」
染岡の声がグラウンドに響き、その足から放たれたシュートに目を疑う。
そのシュートは青いドラゴンとなり、雄叫びを上げながらゴールに突き刺さった。
突然の出来事に、その場の誰もが呆気にとられた。
ついに染岡だけの必殺技が完成したのだ。
「染岡！スッゲーシュートだったな！」
「これだ……これが俺のシュートだ！」
「ああ！やったな！」
部員全員で喜びを露わにする。
Aは離れた場所で、それを眺めて微笑んでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
乃愛(プロフ) - 妖怪たち（全員）にも恋愛的に愛されたいです！いきなりすみません🙇 (2023年3月14日 14時) (
レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 妖怪ウォッチの逆ハーあんまりないから嬉しいです！無理せずに頑張ってくださいね！妖怪たちイケメンやかわいい子多いから選べないですよね！ (2023年3月14日 14時) (レス) @page8 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続き待ってます。 (2019年8月14日 15時) (レス) id: 2851876f67 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続きが楽しみ過ぎて眠れません(*≧∀≦*) (2019年8月13日 17時) (レス) id: 2851876f67 (このIDを非表示/違反報告)
ろーそく - 何回も読み返しました！面白かったです。続き頑張ってください！ (2019年8月9日 23時) (レス) id: 5941402851 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：AZUSA | 作成日時：2018年9月30日 13時
