怪魔の襲撃 ページ41
鬼道は目の前の光景に己の目を疑った。
「(俺は夢を見ているのか……？)」
その光景とは、自分が後を追っていた少女が見えない何かと攻防しているというものだった。
しかも手から切り裂くような風を起こしたり、口から凄い勢いの水を噴射するなど、人間外れなことをしている。
「(アイツは一体……)」
現実離れし過ぎた光景に唖然とするあまり、鬼道は後ろから自分を狙う気配に気づくことはできなかった。
『クソッ、キリがない！！』
風で切り裂き、水で吹き飛ばし、凍らせて砕いても次から次へと現れる怪魔に、Aは苛立ちを見せていた。
この雑木林の中では引火の可能性がある炎系や電撃系の妖術は使えない。
一体一体の力は弱くても、数で押されれば流石のAでも消耗は必死だった。
『(一体どこからわいて出てきてる……！？)』
40年前にとある少年たちによってこの世から消え去ったはずの怪魔。
ここまで残っているとはエンマ大王ですら予想だにしていなかっただろう。
だとすれば……
『(人間の負の感情がコイツらを生み出してるのか？でも一体誰が……！？)』
その時、
「ぐっ！！」
『！？』
自分以外の人間の声がしてAは振り返った。
そこには怪魔に襲われて腕を負傷した鬼道がいたのだ。
『なっ、鬼道！？』
なんでこんな所に、と思う前にAは咄嗟に彼に襲いかかっていた怪魔を倒すことにした。
『氷結の術！！』
すると怪魔たちは氷漬けになり、無残に氷ごと砕け散った。
「時羽……！」
『何やってんだバカ！早くこっちに来な！』
状況がよく掴めていなかった鬼道だが、Aの言う通りにして傍に駆け寄った。
『一掃する。離れんじゃないよ！』
そう言うとAは身体中に妖気を溜めて一気に放出した。
『竜巻の術"画竜点睛"！！』
すると周囲に暴風が巻き起こり竜の形になった。
暴風の竜は怪魔たちを巻き込むと天に登っていき、空中で弾けた。
「……！」
鬼道は自分たちを取り囲んでいた気配がなくなったことに気づき、とりあえず危険は去ったのだと悟った。
そしてAを見ると、Aも鬼道に何か言いたげな顔をしていた。
「時羽、さっきのは一体……」
『アタシもアンタに聞きたいこと言いたいことがあるけどそりゃ後だ。とりあえずここを離れるよ。だいぶ派手にやっちまったからじきに人が集まる』
こっちだ、と言ってAは鬼道の手を引いて歩き出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
乃愛(プロフ) - 妖怪たち（全員）にも恋愛的に愛されたいです！いきなりすみません🙇 (2023年3月14日 14時) (
レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 妖怪ウォッチの逆ハーあんまりないから嬉しいです！無理せずに頑張ってくださいね！妖怪たちイケメンやかわいい子多いから選べないですよね！ (2023年3月14日 14時) (レス) @page8 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続き待ってます。 (2019年8月14日 15時) (レス) id: 2851876f67 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続きが楽しみ過ぎて眠れません(*≧∀≦*) (2019年8月13日 17時) (レス) id: 2851876f67 (このIDを非表示/違反報告)
ろーそく - 何回も読み返しました！面白かったです。続き頑張ってください！ (2019年8月9日 23時) (レス) id: 5941402851 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：AZUSA | 作成日時：2018年9月30日 13時
