初めての勝利 ページ26
ピッピーーーー！
突然試合終了を告げるホイッスルが鳴った。
まだ時間はあるはずでは、と思っていると、帝国が勝ちを雷門に譲って試合放棄したと審判の口から告げられた。
目的を果たしたからなのだろうか。
随分となめられたものだとAは少し顔を顰めながら起き上がる。
身体はボールをぶつけられて多少の擦り傷がついてはいるものの、異常は見当たらない。
むしろ後半から参加した分もあり、まだまだ体力が有り余っている程だ。
普段の修行や妖怪たちとの戦いの賜物だった。
「おい」
顔についた泥を落としていると、後ろから声がかかった。
振り返れば鬼道がゴーグル越しの視線をまっすぐにこちらに向けていた。
この試合…というより試合が始まる前から彼らに最悪の印象を抱いていたAは、嫌な顔を隠しもしなかった。
『……何の用だい。試合が終わったんならさっさと帰んな』
「冷たいな。俺は随分と嫌われているようだ」
『どの口が言うかこのゴーグルマント。散々好き勝手やってくれといて。で、何の用？』
「大したことじゃない。お前の名前を聞きたいだけだ」
『……ハァ？』
Aは胡散臭いものを見るような目で鬼道を見てから、そういえばまだ名乗っていなかったことを思い出す。
名乗る必要もなさそうなのだが、一応名乗っておくことにした。
『…時羽A』
「時羽か…。覚えておこう」
それだけ言うと鬼道は踵を返して送迎バスへと歩き出した。
『何だったんだ…？』
そのまま去っていく送迎バスを見ながら、Aは意味が分からないまま呟いた。
『ハァ〜疲れた』
夕方になり、Aは青龍を伴って帰路についていた。
今日はとにかくいろいろありすぎた一日だった。
相手側の試合放棄とはいえ、事実上勝ったのだからもちろん廃部はなし。
これでしばらくはサッカー部に試合を押し付けた理事長令嬢も文句を言うまい。
だが問題は……。
『豪炎寺か……』
そう、かの炎のエースストライカー、豪炎寺修也だった。
試合を終えたのはよかったが、豪炎寺は「今日限りだ」と言ってユニフォームを脱いで行ってしまったのだ。
『…何を我慢してるんだろうね、アイツ』
［ギャウ…］
人の感性に鋭いAは、豪炎寺の中の燻るような感情に気づいていた。
鉄塔広場で会った時もそうだったが、彼は何か自分を押さえ込もうとしているのだ。
『ま、考えてても仕方ないか』
Aは薄暗くなった団々坂の帰り道を歩く。
とにかく今日は疲れた。
今は美味しい祖母の料理と可愛い友人たちに癒されたかった。
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乃愛(プロフ) - 妖怪たち（全員）にも恋愛的に愛されたいです！いきなりすみません🙇 (2023年3月14日 14時) (
レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 妖怪ウォッチの逆ハーあんまりないから嬉しいです！無理せずに頑張ってくださいね！妖怪たちイケメンやかわいい子多いから選べないですよね！ (2023年3月14日 14時) (レス) @page8 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続き待ってます。 (2019年8月14日 15時) (レス) id: 2851876f67 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続きが楽しみ過ぎて眠れません(*≧∀≦*) (2019年8月13日 17時) (レス) id: 2851876f67 (このIDを非表示/違反報告)
ろーそく - 何回も読み返しました！面白かったです。続き頑張ってください！ (2019年8月9日 23時) (レス) id: 5941402851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AZUSA | 作成日時：2018年9月30日 13時
