無意識の必殺技 ページ23
一瞬静まり返った空間に、ゴールを告げるホイッスルが酷く鳴り響いた。
『ふぅ』
敵も味方も沈黙している中、Aは一つ息を吐くと呆然としている周りの人間を他所に雷門サイドへ戻った。
そしてその直後、
「…スゲーぞ時羽！！」
円堂が戻ってきたAに満面の笑みで叫んだ。
それにつられるように仲間達も騒ぎ出す。
「やったな、初得点だぞ！」
「先輩かっこよかったですよ！」
そんな賞賛の言葉を浴びせられ、Aは照れくさそうに笑って頬をかいた。
ベンチでは秋と春奈が手を取り合って喜び、青龍も嬉しそうに鳴いている。
「にしてもさっきの必殺技スゴかったな！いつの間に覚えたんだ？」
円堂の問いかけにAはキョトンと首を傾げた。
『必殺技？何のことだい？』
「「「「え？」」」」
今度は円堂たちがキョトンとした。
気を取り直したように、半田と栗松が言った。
「何言ってんだよ？お前さっき必殺技で帝国のディフェンスを突破したじゃないか」
「そうでヤンス。突然消えてゴール前にいたじゃないでヤンスか」
『ん〜……。分からん！全く身に覚えがない』
そう言われてもAは身に覚えがないらしく、首を傾げたままだった。
「本当に覚えてないのか！？」
『ん、全く。アタシは普通にアイツらを抜かしただけなんだけど……。ちなみにどんな感じだったんだ？』
その問いかけに円堂たちは代わる代わる先程の必殺技の特徴を話した。
それでもAはやっぱり分からなかった。
『(まさか無意識で妖術を使ったんじゃ……それはないか。でもコイツら全員が言ってんだから本当なんだろうな。でもどうして……)』
「おしゃべりはそこまでにしてくれないか」
Aが思考の海に浸っていると、帝国側から声がかかった。
発声源を見ると、そこには鬼道が失点に動揺することもなく立っていた。
ゴーグルの奥の目はAを映している。
Aもその視線に気づき、見つめ返した。
「少々お前の力を見誤っていたようだな。次からは容赦しない」
『容赦ってのは何だい。相手にボールを当ててボコボコにすることか？』
鬼道に言い放ったAの瞳は、今までにないほどの冷たさを孕んでいた。
それを感じ取ったのか、周りの部員たちも思わず凍りつく。
『それとも……何か試合以外で目的でもあんのかい？』
その言葉に鬼道の表情が微かに変わったことをAは見抜いた。
ずっとAは感じていたのだ。
この試合に漂う違和感を。
鬼道の反応にそれが確信に変わった。
鬼道は何も言わずに帝国側に戻っていった。
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乃愛(プロフ) - 妖怪たち（全員）にも恋愛的に愛されたいです！いきなりすみません🙇 (2023年3月14日 14時) (
レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 妖怪ウォッチの逆ハーあんまりないから嬉しいです！無理せずに頑張ってくださいね！妖怪たちイケメンやかわいい子多いから選べないですよね！ (2023年3月14日 14時) (レス) @page8 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続き待ってます。 (2019年8月14日 15時) (レス) id: 2851876f67 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続きが楽しみ過ぎて眠れません(*≧∀≦*) (2019年8月13日 17時) (レス) id: 2851876f67 (このIDを非表示/違反報告)
ろーそく - 何回も読み返しました！面白かったです。続き頑張ってください！ (2019年8月9日 23時) (レス) id: 5941402851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AZUSA | 作成日時：2018年9月30日 13時
