参戦 ページ21
『……イナホの情報通りだったな』
試合開始から5分ほど経過し、グラウンドの光景を睨みつけながらAは呟いた。
目の前のグラウンドはまさに地獄。
倒れる雷門の選手たちに、畳みかけるようにラフプレーギリギリのボールを当ててくる帝国の選手。
特にゴール前でシュートを受け止める円堂の消耗が凄まじく、他のメンバー以上にボロボロだった。
それを見下す帝国は全員が口元に嫌な笑みを貼り付けている。
『(このままじゃ、アイツら潰れちまう……)』
これはまだ前半。
だというのにこの状態では後半はとても持ちそうにない。
全滅は時間の問題だった。
イナホからの情報通り、帝国は情け容赦のないチームだ。
やがて前半が終了し、選手たちはベンチに戻った。
雷門が既にボロボロなのに対して、帝国は息一つ乱していない。
チーム内に諦めの色が漂い始める。
円堂だけはまだ諦めていなかった。
「クソッ！ このまま終わってたまるか！ 後半は奴らを走らせて消耗させるんだ！」
「消耗って……ムリでヤンスよ。もうヘロヘロでヤンスから……」
「ああ。俺ももう走れない……」
「なんだなんだ！ どうした！？ まだ前半が終わったばかりじゃないか！」
「後半もやるんスかぁ？ やるまでもないっスよ」
「やっぱりこの試合、ムチャにも程があったんですよ」
座り込んで弱音を吐くメンバー。
それを黙って見ていたAは無言でベンチから立ち上がった。
「Aちゃん……？」
驚いて名前を呼んだ秋につられ、円堂たちもAを見た。
そんな面々を尻目に、Aは淡々と言い放った。
『…一年坊の中で誰か一人がベンチに下がりな。後半はアタシが出る』
その言葉にざわめきが走った。
あれほどの試合を見せつけられてなお、Aは怖気づいた様子も見せない。
『そうだね……宍戸、アンタはちょっと休憩だ』
「えっ！？」
名指しされた宍戸は戸惑った。
確かに諦めかけていたとはいえ、ここで先輩に任せて引き下がるのは如何なものかと思ったのだ。
そんな宍戸の心境を察したのか、Aは彼の頭を軽く叩いた。
『勘違いするんじゃないよ。アンタは離脱するんじゃない』
「そ、そうなんですか…？」
『あぁ。アンタは他の一年坊よりも消耗してるからね。言ったろ？ちょっと休憩だって』
「でも…先輩が…」
それでも不安そうな宍戸に、Aは微笑んだ。
『宍戸』
「は、はい！」
『アンタが次に出るのは』
Aは背を向けてフィールドを見据える。
『アタシが再起不能になった時だ』
振り向いた時、その微笑は不敵な笑みに変わっていた。
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乃愛(プロフ) - 妖怪たち（全員）にも恋愛的に愛されたいです！いきなりすみません🙇 (2023年3月14日 14時) (
レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 妖怪ウォッチの逆ハーあんまりないから嬉しいです！無理せずに頑張ってくださいね！妖怪たちイケメンやかわいい子多いから選べないですよね！ (2023年3月14日 14時) (レス) @page8 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続き待ってます。 (2019年8月14日 15時) (レス) id: 2851876f67 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪彩香 - 続きが楽しみ過ぎて眠れません(*≧∀≦*) (2019年8月13日 17時) (レス) id: 2851876f67 (このIDを非表示/違反報告)
ろーそく - 何回も読み返しました！面白かったです。続き頑張ってください！ (2019年8月9日 23時) (レス) id: 5941402851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AZUSA | 作成日時：2018年9月30日 13時
