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『え、なんで…… 』
元木「深田にはファンだってこと言ってないんだっけ？」
『 ……』
恐る恐る湧くんの方を見れば「めっちゃ泣きそうな顔してんじゃん」「俺まだ誰にも言ってないよ」って優しい声で言ってくるから余計に泣きそうになる
『 ねぇ、湧くん』
『 なんで……どうして
湧くんは私がファンだって気づいたの？』
元木「まぁー、」
「ずっとかわいいなって思ってたから」
『え ……』
湧くんが何を言っているのかまったく理解できなかった、 かわいい？ え？なにこれ、バリバリ深田担だけど
さすがに心臓に悪い。
「次の公演、深田じゃなくて俺の団扇持ってほしいかも」そういって湧くんは私の手を握った
『あの、湧くん、この話 』
元木「言わないで 、でしょ？」
『 はい……』
『 ちゃんともう竜生くんとは関わらないし
LINEも全部消します、だからお願いします』
自担の夢を私が潰すことになる。
もしこれが誰かの目に止まれば……ぜんぶぜんぶ……。
私は深く頭を下げた。これしかできなかった。
「わかった。事務所の人にもこの話言わないから、
もちろん深田にも」
「あ、でもその代わりに俺とは繋がっといてね」
『 え？』
湧くんは私になにか話そうとしたのに黙り込み下を向いた
「はい、Aちゃんスマホ出して」
湧くんの言う通りにスマホを渡した。
私の元へ返ってきたそのスマホには竜生という字は
なくなっていて、代わりに湧 と書かれたLINEが追加されていた。
元木「また連絡していい？」
『はい ……』
元木「なんかめっちゃ気まずくなったじゃん」
『いやぁだって湧くんが来て直ぐに教えてくれたの
が原因じゃないですか！！！ 』
元木「いやいや、Aちゃんが聞くからでしょ」
『 まぁー今日は湧くんの奢りらしいから
今回は折れます〜』
元木「笑笑」
『ふふっ笑笑 』
元木「さっきまであんな泣きそうな顔してたのに」
『なんか良かったです。湧くんが私がファンだって気づかなかったら、きっとアイドルじゃなくて一人の人として深田竜生くんに思い伝えちゃっただろうし 』
『 よかったんです。これで……』
『湧くん追加でハイボールお願いします 』
元木「さっきから飲みすぎだって」
『湧くん、私が酔っ払ったら
道端に捨てといてくださいね〜 』
元木「……」
元木「おう、」
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作者名：愛莉 | 作成日時：2023年11月23日 17時
