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「もう!本当にびっくりしたんだから!」
「ごめんねバーバラちゃん…!そんな怒らないでよぉ…」
腰に手を当ててぷんぷん怒るバーバラちゃんは、無理しすぎないでくださいとずっと言ってくる。
普段すり傷すら作ってこない私があんな酷い怪我をしてきたんだから心配から来てるのはわかってるし、とりあえず今はただひたすら謝るしかなかった。
一通り説教を聞くと、バーバラちゃんはお祈りの時間があるからと寝室を出て行った。大聖堂の奥に来たのはこれが初めてで少し変な感じがする。
朝起きると隣で寝ていたのは助けた子供。頭を撫でて、思わず笑みをこぼす。バーバラちゃんの説教があったのに、この子は眠りが深いのか全く起きる気配がない。しばらく寝顔を眺めていると、扉がノックされた。
「あれ、ディルック様?」
「…その子が例の助けた子か。」
「そうですよ〜、私が起きるまでずっとそばにいたいって…そのまま寝ちゃったみたいです。」
服の裾をしっかり握ったまま、幸せそうな顔で眠っている様子に安堵の息を吐く。
「君が身を挺して守ったのは、その子が君の弟と歳が近いからか?」
ディルック様のそんな質問に、歪な笑顔しか返せなかった。すべて事実だから、否定はできないし肯定をする元気もない。
弟はアビスの魔術師に奪われた、もう二度と会えない——受け入れてはいるけどあんなのを見せられたら冷静じゃいられなかった。あの時と重なってしまう。
「駄目、いつもの「元気なA」が出てきません…えへへ…あ、昨日は行くって言ったのに——」
「A。」
頭にずしりと重さが加わる。ディルック様に、頭を撫でられてるらしい。弟がいたから、撫でられることに慣れていなかった。なんだか気恥ずかしくて俯いてしまう。
「君は“風の赴くまま”行けば良い。Aは蒲公英の綿毛のようだ、とあの吟遊詩人も言っていたしな…そのうちいつもの調子に戻るだろうさ。ただ、もう少し静かにしてくれると助かるが。」
「!…それは無理な相談ですね、へへ…」
こんな元気じゃない私を見せるのなんて、ディルック様だけなんですからね。
——(ディルック様の手、すごく落ち着く…)
——(Aが静かだと…どうも調子が狂いそうになるが、本来はこちら寄りなんだろうな…)
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こて - コメント失礼します〜!!!リクエストの件なのですが、八重神子をお願いしても宜しいでしょうか!あなた様の作品をいつも楽しく読ませていただいております🙏🙏 (2022年8月27日 10時) (レス) id: 903d9d5d23 (このIDを非表示/違反報告)
名無し3680号(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく読ませていただいています。もし宜しければリクエストでティナリで出来ますでしょうか?これからも体にお気を付けください。 (2022年8月27日 0時) (レス) id: be46167942 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - コメント失礼します!平蔵くんでリクエストしてもよろしいでしょうか?無理そうでしたら大丈夫です!いつも楽しく読ませてもらっています!体調にお気をつけください! (2022年7月31日 18時) (レス) @page37 id: f124848c25 (このIDを非表示/違反報告)
こころ - 「専属神篇第三幕〜東京異変〜EP1〜104話【守るべき人】」の森羅万象支配か「専属神篇第三幕〜東京異変〜EP3〜171話【赫の暴帝】」のネルみたいに倒してみた、どちらか書きやすい方で大丈夫です。お願いします (2022年7月20日 0時) (レス) id: fa05d75225 (このIDを非表示/違反報告)
こころ - リクエスト失礼しますクロスオーバーって大丈夫ですか?大丈夫ならパトパトチャンネル様とのクロスオーバーみたいです。「彼を圧倒していた悪信教を圧倒したら」で、ガイア、綾人、しょう、誰かお願いします参考動画は次に書きます! (2022年7月20日 0時) (レス) @page9 id: fa05d75225 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりふき | 作成日時:2022年6月8日 21時