おはよう幻想世界【gnsn】

◇ゴロー / 形勢一変 ページ1

気付いてしまえば瞬く間に

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「珊瑚宮様！A、ただいま帰還しました！」

「おかえりなさい、報告をお願いできますか？」



元気よく心海ちゃんの部屋へ入ると、心海ちゃんは読んでいた資料から顔を上げて優しい雰囲気のまま微笑んだ。偵察帰りの私は、ひとまず口頭での報告を行う。


仕事モードの心海ちゃんは最初から最後まで、ずっと真面目に聞いてくれた。前に「後で報告書もあげるのだから少しくらい気を抜いても構わない」と言ったことがあるけど、それだと危険を冒してまで偵察に行ってきた私に失礼だから、と。



現人神の巫女、珊瑚宮心海。直属の部下として、幼い頃からの友人として、少しでも彼女の負担を減らせたらいいと思うんだけど——




「珊瑚宮様、少しお話が——A！？」

「ゴロー！久しぶりだね。」



数週間ぶりの戦友の姿に頬を緩める。とは言え報告中だったからすぐに心海ちゃんへと視線を戻した。



「口頭での報告は先程ので以上になります。今日中にでも報告書は仕上げておきますので、またご確認ください。」

「状況は大方把握できましたね…ありがとうございます。報告書は明日でも構いませんよ、今回は少し期間が長かったので…今日はゆっくり休んでください。」

「……報告書が終わり次第、ゆっくりします。」



あなたが頑張っているのだから私だってキリがいいところまでやるよ、と言う気持ちで返事をするとさすが幼い頃からの付き合いなだけあって察したらしい。眉を下げて笑みを浮かべていた。


軽くお辞儀をして、ゴローにも手を振ってから部屋を後にする。遅めの対応で大丈夫な書類が積み上がってるのかと思うと、自分の仕事部屋に戻るのが少なからず億劫に感じた。




とは言え、あともう一仕事やらなければ。これは海祇島の住人のためであり、この島の最高指導者である彼女のためでもあるから。

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