16『少女は年齢について話す』 ページ14
騎士団の人たちに挨拶をして、モンドの人々にも話しかけられながら手伝いをしていると1日はすぐに終わってしまった。夜もふける頃、私は1人で「エンジェルズシェア」へ足を運ぶ。
良いタイミングすぎて我ながら驚いているけど…酒場には酔い潰れた1人の吟遊詩人とバーテンダーをしていたオーナーのディルックさんが揃っていた。
「君がこの時間にここへ来るとは思わなかったな。」
「こんばんは、少しお話があって。」
会えてよかった、とカウンター席に座る。ひとつ席をあけたところで、酔っ払いさんが顔を上げて私を見つめて来た。
「あれぇ、A？」
「飲み過ぎだよウェンティ……あ、っと…バルバトス様がいいでしょうか…」
「へへ…ウェンティで良いよ。旅を終えたんだね？」
まだどこかぼんやりした顔で聞いてくるウェンティに頷いて、ディルックさんに視線を向ける。この場には私たちだけ、おまけにディルックさんはウェンティの正体を知っている。
なら私も隠す必要はない。彼がバルバトス様であることを知っているのはディルックさん、そしてジンさんであると言うことはあらかじめ旅人にも確認を取ってあった。
「うん、私の旅は終わった。それで今日はお酒を買いに来たの。あ、モラはちゃんとあるから。」
「…一応、年齢確認をしておこう。口頭で構わないが。」
「ちょ、っと待ってね…」
年齢…年齢？私が居なかった1500年を一応加えたとして私は何歳だったか…
しばらく考えて、顔を上げる。
「私が行方不明だった1500年間は入れていい？」
「いや、もう分かった…何が飲みたいんだ？」
「あぁいや…持ち帰りたいの、璃月に。」
「え〜！折角だから一緒に飲もうよ〜！あのじいさんも居な、っ！？」
突然、岩元素が辺りに充満する。私は座ったままだけどウェンティは即座に私から距離を取っていた。
気付いてはいたけど、鍾離様…私に何か施してるらしい。ウェンティを狙って、とかではないはずだけど…多分“私に害が及ぶかもしれない行動”がいけないんだと思う。
「何をしたんだ一体…君の神の目は雷元素だろう。」
「……話せば、ちょっと長くなるけど…ごめんなさいウェンティ、多分お察しの通り。」
「全く、抜かりないなぁ…」
流石に酔いが覚めたらしい、ようやくいつも通りに戻ったウェンティはまたひとつ席をあけて座り直した。
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匿名 - 感動できる物語を読まさせていただきありがとうございます！！これからも応援しています！ (2022年6月14日 21時) (
レス) @page15 id: e82571c646 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - 続編おめでとうございます！最初から読ませて頂きました！更新頑張ってください！応援してます！ (2022年6月3日 22時) (レス) @page4 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりふき | 作成日時：2022年6月1日 19時
