12『少女は夢を見る』 ページ2
黄金屋——璃月七星により岩王帝君の亡骸…「仙祖の亡骸」が隠された場所。息を整えて中へ入ると、モラが溢れかえっていた、
相変わらずモラに目がないパイモンは瞳を輝かせている。
「テイワットのモラが全部ここで作られてるなら…少しくらい失敬しても、バレたりしないよな？」
「やめた方がいい。」
「そう簡単に取れないと思うけど…」
モラに目が眩むパイモンを横目に、私は先に数歩行ったところで足を止めた。人が、倒れている。
「——空、パイモン、こっち。」
「千岩軍だ。」
「…うっ、嫌な予感がする！」
黄金屋を警備していた千岩軍の人たちはことごとくやられてしまったらしい。怪我の具合を見るにそこまで酷いわけではないけど、あまり長く放置することはできない。
先に「仙祖の亡骸」を見に行って欲しいことを空に伝えて、私は千岩軍の人たちの様子を1人ずつ見て行く。幸い、みんな意識がないだけで脈などもしっかりしていた。数人顔色が悪い人は、吐くと大変だから横向きの寝る体制にしておく。
気付けば、亡骸があるであろう方向から戦っているような激しい音が聞こえて来ている。もう一度倒れる彼らを見渡して駆け足で向かえば、そこには焦る空と「仙祖の亡骸」のそばに立つ「公子」の姿。
「…公子。」
「そんな怖い顔しないでよ、可愛い顔が台無しだよ？」
公子の手元は雷のようにバチバチと音を立てている。それが、亡骸の中へと深く突き刺さった。たとえそれが偽物だと分かっていても、心は穏やかじゃない。
「モラクスの「神の心」は俺が…」
——神の心なんて、その亡骸には無い。
亡骸からは何の気も感じない。私はそこに「神の心」がないことはすぐに分かっていた。
「なるほど…予想外だ。」
当たり前ながら、公子の手に神の心はない。
「まさか、先客が——」
「っA！！」
眩い雷と、目の前に迫る公子に体が退けぞる。逃げることも出来なくて、体の浮遊感と息苦しさに私は公子の手首を掴むことしか出来なかった。
首が、しまる。
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匿名 - 感動できる物語を読まさせていただきありがとうございます！！これからも応援しています！ (2022年6月14日 21時) (
レス) @page15 id: e82571c646 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - 続編おめでとうございます！最初から読ませて頂きました！更新頑張ってください！応援してます！ (2022年6月3日 22時) (レス) @page4 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりふき | 作成日時：2022年6月1日 19時
