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No.019 ページ20

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全く目を冷ます気配がない沖田さん。

何故かちっとも反省せず、酒瓶を片手にゴクゴクと直接口を付けて飲み続ける坂田さん。

それに加えて、ちびちびとコップに注がれていた半透明の液体を飲み始めた神威。


正しく地獄絵図な状況に、最早言葉を失い狼狽えていると。突然、リビングの扉が音をたてて開閉した。その先に佇んでいたのは、今一番この現場を見られてはいけない人物たちだった。この荒れ果てた現状を見るや否、十四郎さんは眦が千切れんばかりに目を見開いて、高杉さんはその翡翠の一瞬光らせて、へぇ、とでも言いたげに唇を歪めて。


「十四郎さん、高杉さん、本当にすみません!ごめんなさい!!」


最早パニック状態で十四郎さんと高杉さんにペコペコと頭を下げ、ついでにそこら辺に居た坂田さんと沖田さんの頭を鷲掴みにして床に顔面から押し付ける。それを数度繰り返せば、赤い液体を吐き出した二人は息の根を止められたの如く倒れ込んで。そそくさと足音を忍ばせてリビングルームから脱出を謀った神威に向けてソファーに置いてあるクッションを投擲すれば、柔らかいはずのクッションは想像以上にぼんっと音をたてて神威をノックアウトした。

恐らく、今回ばかりは私の失態だ。彼等の行動に目を瞑り、それを一時でも揉み消そうとした私の。頭を再び慇懃に下げ、思わず奥歯を食い縛る。そして、その半瞬後。私を襲ったのは、拳骨でも厳しい言葉でもなくて……優しい抱擁だった。


「お前は悪くねェよ。ま、逮捕とまでは行かねェが、ちっとァ説教が必要みてーだがな」


ポンポン、と頭を軽く叩かれ、目頭がじんわりと熱を帯びる。今にも溢れ出しそうな何かを堪えて、すみません、ともう一度謝罪を口にした。


「おいおい大串くんよォ、なぁにAちゃんを独り占めしてんだよ。俺にも寄越せ」

「それいいね、今晩のオカズにしようか」

「みっちりと躾てやらァ」


背筋を這う悪寒を振り払うように私は腕をさすってから、逃げるように言う。


「す、少し外の空気を吸ってきます……!」


あからさまな言い訳を矢継ぎ早に唱え、リビングの扉に手を掛け脱兎の如く逃げ出そうとする……と。


「俺がついてく。土方、お前ェはコイツら片付けとけ」


高杉さんの低い声が先制する。気に食わなさそうな顔で一瞬土方が固まったものの、「あァ」と短く返事をして。


「い、行ってきます……!」


椅子に掛けてあったブレザーを羽織り、早足で夜の町に飛び出した。


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あるの(プロフ) - ささかさん» コメントありがとうございます、ささかさん!いつまでも待っていて下さるのですか?!ありがとうございます^^はい、できるだけ早く続編を作り直しますので、それまでは暫しお待ちください! (2018年1月6日 16時) (レス) id: 26476dfb48 (このIDを非表示/違反報告)
ささか - 作者さん、色々とお疲れ様!でも私はいつまでも待ってますから!ゆっくりでいいので続編作るの頑張って下さい! (2018年1月6日 15時) (レス) id: 94a7e06d27 (このIDを非表示/違反報告)
霰@あるの(プロフ) - たらぴさん» コメントありがとうございます!はい、念願の初殿堂入りを果たすことができました…!応援までありがとうございます^^たらぴさんのお言葉には励まされるばかりです! (2017年12月24日 17時) (レス) id: 26476dfb48 (このIDを非表示/違反報告)
たらぴ - 殿堂入りおめでとうございます!これからも頑張って下さい(^^)/応援してます! (2017年12月24日 17時) (レス) id: dcfd3554f9 (このIDを非表示/違反報告)
霰@あるの(プロフ) - 高杉るなさん» 了解致しました^^ご提案ありがとうございます!高杉さんと遊園地…とても素敵なお話ですね!できるだけ早めに執筆致しますので、楽しみにお待ちいただけると嬉しいです! (2017年12月6日 7時) (レス) id: 26476dfb48 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あるの | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年10月15日 9時

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