第20話 ページ22
一花side
「……さ、最初はっ。本当に恋とか、分からなかったんです。だから三玖ちゃんに聞いたり、調べたりしました。
だけどやっぱり、私には分かりません。
名前を呼ばれて嬉しいのは私にとって当たり前で、だから皆さんもそうなんだろうって、勝手に思っていました」
「Aちゃん？」
「でも、違ったんです。あなたが私の名前を呼んでくれる度、胸の奥が暖かくなって、少しだけ苦しくて。ドキドキするんです、これが……恋なんですね」
「……！！」
Aちゃんが幸せそうに笑って、私の手を握った。彼女からのスキンシップは、初めてだ。
「一花ちゃん、……大好きです。答え合わせが遅くなってしまってごめんなさい、でも……欲しかった答えは、これですよね」
「……そうだよ、君からの好きを待ってた。夢見たいだなぁ……」
「夢じゃありませんよ、ほら……伝わりますか？」
私の手を取ったまま、自分の首筋に持っていく彼女。熱すぎるくらいに熱を持ったAちゃんは、それくらい私のことを想ってくれているということで。
「……伝わるよ、Aちゃん」
「良かった、……すごいドキドキしたんですからね」
「その割には、なんだか平気そうだけど」
「平然を装ってないと泣きそうなんですよ……初めて会った時、覚えてますか？」
「私が意地悪したやつですね、ほんっとすみませんでした」
「いえ、もう怒っていませんよ。まぁ、当時は酷い人だと思いましたが」
衣着せない言葉が私に深く突き刺さる。しかし何を言われても言い返せないくらい、私は自由だった自覚がある。
「……あの時、あなたが歩み寄ってくれたから。だから多分、ここまで傍に来れました。感謝しているんです、一花ちゃん……ありがとう」
優しい笑顔で感謝を伝えてくれる彼女に、私の心はどんどん高鳴っていく。
好き合えたのに、こうして私ばかりが彼女を好きになる。
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さな - まとめて最後まで読んじゃいました！主様の書く五等分の花嫁の小説大好きです！もしよければ四葉エンドでのお話もまた読みたいです！ (2021年12月14日 20時) (
レス) id: f790efa9f6 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - とっても面白かったです。もっとみたいです！ (2021年12月7日 8時) (レス) @page27 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
ちくぜんに(プロフ) - 莉奈さん» お褒めのコメントありがとうございます！四葉ちゃんですね、少々お待ちください！ (2021年1月30日 11時) (レス) id: 8315f66856 (このIDを非表示/違反報告)
莉奈 - 面白かったです！ごと嫁の百合ってあんま見ないので新鮮ですね！それから四葉ちゃんの番外編お願いします！ (2021年1月30日 11時) (レス) id: 5e6606bd3c (このIDを非表示/違反報告)
ちくぜんに(プロフ) - 竹ちくわさん» ありがとうございます、お楽しみに！ (2020年8月10日 7時) (レス) id: 8315f66856 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくぜんに | 作成日時：2020年2月19日 10時
