第4話 ページ5
Aside
「軽蔑なんてしませんよ。ただその……したいと思える相手が見つかったら、良いんですけれど」
「心配しないで。手出すのは早いからさ」
「心配したくなってきました………まぁいいです。呼んだら入ってきてくださいね」
殺せんせーは受け止めてくれた。
本校舎の先生も、浅野クンも。私の成績があるから女癖の悪さは何も言ってこなかったけれど、アイツらのことだし良く思ってなかったんだろう。
「調子狂う……それでも、いつも通りで居れればいい」
殺せんせーが呼ぶ。さぁてと、いつも通りの赤羽Aちゃんでナンパしに行きますか！
「初めまして…の子は少ないもんね。赤羽Aでーす、知っての通りカルマの双子の妹だよ〜」
「よっ、A！」
「前原くんだ。あっ、この間ナンパ邪魔したの許さないからね！？」
「悪ぃって！」
E組を見渡す。やっぱり初めましての子は少ないみたいだ。大きな機械かな？あとは渚くんの隣の席の子。私が知らないのはその2人だけ。
「……あっ！？」
「…やっぱそっかぁ〜、残念だったね速水さん」
お兄ちゃんが言う。速水さん、かぁ。
「もー、お兄ちゃんの馬鹿！なんで教えてくれないわけ！？私のどストライクを！」
「Aのタイプだと思ったから言わなかったんだよ。ていうかうるさい、話しかけんな」
「お兄ちゃんこそうるさいよ！前原くんも、邪魔しないでね！？」
「お前が今1番うるせーし邪魔だろうよ」
「ねぇねぇ、速水さん？お兄ちゃん合ってる？」
「合ってるから、話しかけんなって。お前の兄貴だって思われたくない」
「速水さん、可愛いね〜。ていうかすごいタイプなんだよね！放課後ヒマ？私と遊びに行かない？」
お兄ちゃんを全無視して声をかける。速水さんは顔色ひとつ変えずに私を見据える。それから眉をひそめて言うのだ。私が貰ったことの無い返事を。
「絶対イヤ」
「つれないな〜、そんなとこも可愛いけど。ね〜、どうしてもダメかなぁ？」
「っ……そんな顔してもイヤ。あんた、自分の噂自覚してないわけじゃないでしょ？」
「……ですよね〜」
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作者名：ちくぜんに | 作成日時：2020年1月20日 20時
